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戯夢人生 (1993)

戯夢人生/THE PUPPETMASTER

監督
ホウ・シャオシェン
  • みたいムービー 15
  • みたログ 49

4.25 / 評価:12件

布袋戯

  • 一人旅 さん
  • 2016年2月13日 21時23分
  • 閲覧数 426
  • 役立ち度 4
    • 総合評価
    • ★★★★★

第46回カンヌ国際映画祭審査員賞。
ホウ・シャオシェン監督作。

日本統治下の台湾を舞台に、実在の人形使いリー・ティエンルーの激動の生涯を描いた伝記ドラマ。
植民地時代の台湾の現実が描かれている。単に領土が占領されただけでなく、日本による支配が台湾の文化や庶民の日常生活に深く影響を及ぼしていたのが良く分かるのだ。太平洋戦争が勃発すると、人形芝居(布袋戯)の題目も中国の伝統的物語から“米英撃滅”をテーマにした過激な題目に様変わりする。人形芝居という台湾ならではの伝統芸能を土台にしながら、そこで披露されるのは支配者である日本兵の戦意高揚を目的とした内容であるのが何とも不思議。また、障子や畳、縁側がある日本家屋が映し出されたり、台湾人が中国語と片言の日本語を織り交ぜながら話したりする。台湾人の団欒の最中にも日本の歌謡曲が流れ、物を買う時の通貨は円だ。台湾を舞台にしながらも、至るところで日本を感じさせる光景が印象的。日本映画だと言われれば信じてしまうかもしれない。
日本が台湾を50年間に渡って苦しめていたのは事実だが、本作では支配者である日本人と現地台湾人のささやかな交流も描かれている。日本人の警察課長が、違法に魚を捕獲した台湾人の少年に対し寛容な態度を示す場面で映し出される平和的で穏やかな川沿いの風景が美しい。
そして、人形芝居はその時々の時代によってかたちを変えながら生き残っていく。戦時中一時的に上演を禁止されても、人形芝居を演じる者と観る者が存在する限りやがては復活する。たとえ日本が表面上は台湾を支配できたとしても、台湾人の文化と精神を根本から破壊することはできないのだ。
日本の支配下で逞しく生きる庶民の哀歓と人形使いリーが辿る変転の人生を、叙情的な風景に乗せて映し出した作品。物語自体に抑揚はなく比較的淡々としているが、人形芝居の可愛らしく細かな動きや、台湾と日本が入り混じったような不思議な日常の風景はやはり魅力的だ。

詳細評価

物語
配役
演出
映像
音楽

イメージワード

  • 不思議
  • 切ない
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