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最後の命令 (1928)

THE LAST COMMAND

監督
ジョセフ・フォン・スタンバーグ
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  • みたログ 3

3.75 / 評価:4件

10年の歳月を経て…

  • bakeneko さん
  • 2015年10月7日 8時24分
  • 閲覧数 391
  • 役立ち度 4
    • 総合評価
    • ★★★★★

現在はアメリカに亡命し、ハリウッド映画のエキストラをして糊口を凌いでいる嘗てのロシア将軍の過去と現在を対照させて、“人間の運命の非可知さ”と“波乱の時代の愛の在り方”をドラマチックに見せてくれる“ロシア革命劇+戦火の恋愛譚+ハリウッドバックステージもの”の名作であります。

1928年のハリウッドで、ロシア革命の映画を撮るべく集められたエキストラの中の一人の老人の零落した現在と華やかだった過去を照らし合わせて語りながら、波乱の時代転換点に居合わせた人間達の勇気&愛情&熱気…を浮かび上がらせていく傑作で、本作で発足したばかりのアカデミー主演男優賞第一号となった:エミール・ヤニングスの熱演の他にも、ヒロイン:イヴリン・ブレントの硬質な美貌&ツンデレぶりにも魅了されます。

え~、ドイツの名優:エミール・ヤニングスの当たり役は“いぢめられっ爺”であります。
普通の映画の場合“いぢめられ役”は可憐な乙女女優で、「テス」のナスターシャ・キンスキーや「道」のジェルソミーナ、「ジェーン・エア」のジョーン・フォンテーン…らを襲う数々の苦難に、“こんな娘をいじめるなんて…”とハラハラさせますが、エミール・ヤニングスの場合は、「最後の人」、「嘆きの天使」の様に、老人の嘗ての輝ける幸福な日々を見せてから一転して社会の底辺に転落させ、周囲の仮借ない虐待&羞恥攻めに、“こんな老後は救いが無いなあ…、いじめる側も相手が爺だと容赦ないし…”と人生の冬の痛みを共感させます。
本作も、ロシア皇帝の従兄弟でロシア軍の最高指揮官である雄姿を見せてから、革命による零落と悲恋の顛末を痛々しく見せた後で、10年後のハリウッドスタジオでのフィナーレへと収束していきます。
過去と現在で全く違った顔を見せるヤニングスの演技は見事で、ラストシークエンスの“過去に失った人間性が甦る”クライマックスは「サンセット大通り」や「質屋」へと受け継がれていきます。
そして、天衣無縫で健気なヒロイン:イヴリン・ブレント(ちょっとマレーネ・ディートリッヒに似ています♡)との悲恋も物語の中核をなしていて、“ヒロインは裏切ったのか?まだ愛しているのか?”―という恋愛心理描写にも見入る作品となっています。

まだロシア革命から10年しか経っていなかった頃に創られた、歴史の波に翻弄された人物のドラマチックな零落劇で、当時のハリウッドの映画製作システムも観ることが出来ますよ!(まだ撮影カメラは手廻し!)

ねたばれ?
あんた革命派の要人だったんじゃないの?(何故ハリウッドに…)

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