エル・オレンス
4.0点
いやあ、この監督、『ダンサー・イン・ザ・ダーク』(2000)といい、『ドッグ・ウィル』(2003)といい、本作といい、よくこれほど残酷で不条理な映画を次々と撮れるなあと驚かされるばかりです。人間や社会の奥底にあるダークな部分をえぐり出すドラマを撮らせると、右に出る者無しですね。 周囲から散々な目に遭った末悲惨な死を遂げたベスと、その後ケロリと生還、回復する夫ヤンの対比も、いかにもL・トリアーらしい発想だと思います。(ラストの鐘の音は救いだけど) エミリー・ワトソンは、これが初のスクリーンにして初の主演とは驚愕!彼女演じるベスの純真無垢な愛と献身ぶり、そして狂乱ぶりに圧倒されっ放しの150分でした。個人的に、同年アカデミー主演女優賞は、『ファーゴ』のフランシス・マクド―マンドよりも彼女が相応しかったと思います。 あと、挿入曲にディープ・パープルの音楽を使うセンス。不思議と世界観にハマっていて好きです。 ====================================== ★1996年ゴールデングローブ賞【ドラマ】 作品賞ノミネート ★1996年カンヌ国際映画祭 グランプリ受賞
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