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野獣の瞳 (1995)

浪漫風暴/SOMEBODY UP THERE LIKES ME

監督
パトリック・レオン
  • みたいムービー 2
  • みたログ 12

2.00 / 評価:3件

香港には珍しいスポコン青春物語

  • lamlam_pachanga さん
  • 2011年11月12日 13時49分
  • 閲覧数 309
  • 役立ち度 2
    • 総合評価
    • ★★★★★

本作の監督、パトリック・ウォンを知る人はほとんどいないと思います。これが監督デビュー作で、元々はジョン・ウーの助監督を務めていたそうです(その縁で制作はジョン・ウーが務めている)。何故か日本でもVHSが発売され(同年公開されたジョン・ウーの『ブロークン・アロー』に便乗したのかな)、共演のサモ・ハン・キンポーに惹かれて衝動買いしちゃった映画です(笑)

その内容は、ジョン・ウー色の薄いスポコン青春ストーリー(監督が違うから当たり前だけど)。

主演は香港四大天王のひとり、アーロン・クォック。当時は甘いマスク以外に売りがなく俳優として伸び悩んでいた時期だっただけに、この映画で見せたワイルドな魅力は意外でした(ただ今度はその熱血イメージが定着し、長く苦しむことに)。

キックボクサーを目指しジムで付き人を務めるケン(アーロン・クォック)は、ある試合会場で見かけたグロリア(カルメン・リー)に一目惚れ。彼女は香港チャンピオンのチャン(マイケル・トン)の妹で、ほどなくふたりは惹かれ合うようになる。彼女との付き合いを認めてもらうためにも打倒チャンを目指すケンは、伝説のトレーナー・ハン(サモ・ハン)を説得し、彼の下で実力を磨く。やがて迎えたプロ・デビュー戦に勝利するや破竹の連勝を続け、遂にチャンへの挑戦が決定する・・・。

パトリック・ウォンは、驚くほどに真っ向勝負でスポコンしてます。

チャン・ヒンカイの脚本も(良い意味で)意外性がなく、この物語が面白いかどうかは別にして、余計な要素を排除している点は好感が持てます。夢見る青年とその恋人→やがてぶつかる壁→そこからの復帰。主人公の成長を描くと言う一点に焦点を絞った、ビックリするくらい作劇の基本に忠実な脚本です(笑)

また本作はキャスティングが素晴らしい。アーロン・クォックを主役に配したのは見事な選択眼です。ジョニー・トーの『柔道龍虎房』を観た人ならお分かりの通り、この人は「○○一直線」を演じさせれば香港最高の俳優(だと私は思う)。本人はそのイメージに苦しんだと言いますが、ナチュラルな熱血君オーラは素晴らしい。一方で共演のサモは、俳優としてはこの時期がどん底。それだけに若きアーロン・クォックに主演を譲った助演の位置で、挫けた若者を導く燻し銀の演技は説得力があります。

この映画、香港映画のスポコン青春映画としてはかなり真っ当な作りです。

それだけに、残念な点がふたつ。

ひとつはキック・ボクシングのアクション描写。ユエン・タクの振り付けはともかく、カメラワークやカット割りにデビュー作特有の気負いが感じられ、ちょっと演出し過ぎ。ジョン・ウーみたいな独自色を狙ったのかも知れませんが、ストーリーに合わせ、もう少し落ち着いた「画」を用意して欲しかった。

もうひとつが結末。

これはネタバレなんで書きませんが、最後の最後で香港人特有のペシミスト振りが出ちゃってます(残念だなぁ)。ここまで真っ向勝負したんだから、開き直れば良かったのに。

よくあるありきたりの物語なんですが、私はお薦めします。

香港映画に珍しい天然スポコン役者が見られる、結構貴重な映画ですし。

と言うかね・・・正直結構好きな映画なんですよ、これ(笑)

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