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モンド

モンド

MONDO

80

dkf********

4.0

珠玉の小品!

こういうのを「珠玉の名作」と言うのだろう。90分に満たない小品ながら、愛おしく、優しく、悲しいとびきり上質のファンタジー。舞台は南仏ニース。太陽の降り注ぐ地中海の明るいリゾート都市だ。この設定ならば暗い作品になりようがない。映像は明るいし、風景も美しい。ただし、この雰囲気に流されて甘い気持ちで観ていると、最後にガツンとお見舞いされる。決して「お涙頂戴」的なあざとい作品ではないにもかかわらず、観終わって後を引くこの何ともいえない物悲しさ、やるせなさは何だろう。見直して、何度もモンドに会いたくなる。そしてモンドを抱きしめたくなるはずだ。 監督のトニー・ガトリフ自身もジプシーの血を引いている人だけに、何処からかやって来て、どこかへ去っていったモンドこそ、「居場所のない哀しき放浪の民」の象徴かもしれない。

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