作品レビュー(6件)
- UBUROI
4.0点
シモーヌ・シモンは幽霊として娘エイミー(アン・カーター)恋しさで登場する。孤独なエイミーは母の影を友達として遊ぶのである。名作『キャット・ピープル』の後を受けて、親子2代にわたる呪われた血のドラマが語られる。シナリオに一工夫あるのは、『何がジェーンに起ったか?』(1962)を彷彿させる女二人の冷たいいがみ合いのある屋敷を設けたこと。スワンソンほどの貫禄はもちろんないけど、『サンセット大通り』(1950)風な引退した老女優の住んでいる屋敷である。孤独な娘は妖花に魅せられた蝶のごとく、この屋敷の入口に誘い込まれる。老女優の語るスリーピー・ホロー伝説がさらに恐怖の色あいを深めていくのだ。クリスマスの雪の日、エイミーは屋敷に逃げ込むと、女優は力尽きる。それは、老母のモラハラに悩まされてきたその娘にとっては開放の瞬間だった。明るい兆しがキャット・ピープルの娘にも徐々に差し込んでいくという重層的な演出がワイズの手柄だった。
- gus********
3.0点
このレビューにはネタバレが含まれています。 - abu********
3.0点
ネタバレロバート・ワイズの初期作品
このレビューにはネタバレが含まれています。 - mal********
2.0点
いくら空想好き少女の話と割切って観ていても、タイトルがタイトルなんで、やっぱりこれはどうかと私は思いますよ。オーソドックスすぎる展開の前作「キャットピープル」同様に、本作は残念ながら私の好みではありませんでした。そう思うと、決して成功作とは言えないまでも、ナスターシャ・キンスキーの美しさが堪能でき、デイヴィッド・ボウイの主題歌が懐かしいリメイク版「キャット・ピープル」の方が面白かったです。本作はロバート・ワイズ監督デビュー作としてのみ価値が見出される作品だと思います。
- hir********
5.0点
映画は「想い」である。 「想い」を伝える事の出来ない映画など、私は認めない。 1942年、RKOが送り出した「キャット・ピープル」は、大ヒットした。 この作品のプロデューサーであるヴァル・リュートンが、言った言葉だ。 この人が、ジョン・ヒューズと合わなくて、RKOを去ったのは、 この「言葉」からして、ワカル様な気がする。 俗に言う「リュートン・ホラー」を、次々と世に送り出していた時期は、 ちょうど、「戦争」と重なり、日本では「リュートン・ホラー」は、 殆どと言っていいほど公開されていない。 「キャット・ピープル」ぐらいじゃないかな? ロシア系ユダヤ人のリュートンは、「モンスター・ホラー」を嫌い、 「人間ドラマ」のあるホラーを創ろうとした。 低予算でも、心理・雰囲気描写で「質の高いホラー」を目指そうとしたのだ。 このプロデューサーが、マーク・ロブスンやロバート・ワイズを見出したのは いわば、「当然の理屈」だったのだ。 コケおどしや、残酷描写よりも、「人間とは何か?」を突き詰めた上での「恐怖」 今でも、「リュートン・ホラー」は、イギリスやフランスでの評価が高い。 本作は「キャット・ピープル」の正式な続編であり、 ロバート・ワイズのデビュー作でもある。 1940年に、ヒッチの「レベッカ」が、アカデミーを獲っていて、 その影響が、非常に強く出ている作品だ。 しかし、流石はロバート・ワイズ・・・「異端」を描きながらも、着地点は「愛」である タイトルこそオドロオドロしいが、実に美しく切ない幽霊譚になっている。 現代の「芸の無い続編映画」も、少しは見習って欲しいくらい見事。 幼い少女を主人公に添えたあたりも、いかにもワイズ監督らしい。 さて、この映画に出て来る「スリーピーホロウ伝説」 半世紀以上の「時」を経て、「映画」にした男がいる。 ワイズと同じく、「異端」を描き続ける監督、ティム・バートンだ!! バートンの次回作は、異端少女のファンタジー「不思議の国のアリス」 リュートンの「想い」は、今も確実に映画の中に生き続けている。
スタッフ・キャスト
人名を選択するとYahoo!検索に移動します。