侠女 第一部:チンルー砦の戦い
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作品情報上映スケジュールレビュー

作品レビュー(2件)

不気味50.0%スペクタクル50.0%

  • d_h********

    5.0

    ネタバレキン・フー的“アクション”の完成

    このレビューにはネタバレが含まれています。
  • xi_********

    5.0

    前編だけなら最高傑作

    この『侠女』は、中華圏映画として初めて国際的(カンヌ)に評価された作品で、胡金銓(キン・フー)の名を広めた一作でもあります。二部構成となっているのは、基本的に短尺(1時間半程度)の映画に慣れている地元(台湾・香港)の観客へ配慮したためで、それでも香港では休憩を挟み一気に(短縮版で)上映されたとか。 物語は中国・明代。 陝西省の田舎町に母と住む顧省斎(石雋)は、肖像画を描いて生計を立てる日々。ある日、欧陽年と名乗る男が肖像画を依頼してくるが、その眼光は常人ならざる鋭さを放つ。同じ頃、朽ち果てた靖虜屯堡(チンルー砦)からは夜な夜な不審な物音が。不穏な空気を感じ取った顧省斎は、意を決して靖虜屯堡へ踏み込むが、そこに現れたのは謎めいた美女(徐楓)だった。 これが、前編のあらすじ。 映画を観て頂ければ解るのですが、この映画、特にその冒頭~中盤にかけて、怪奇譚の様相を呈しています。それもその筈、実は本作の原作は、あの『チャイニーズ・ゴースト・ストーリー』でもお馴染みの、蒲松齢による「聊斎志異」の中の一篇。 朽ち果てた靖虜屯堡。 毎夜響く物音。 欧陽年の存在。 謎の美女。 これら全てがミステリアスな要素となり、その謎を一切明かさぬままに物語は展開していくのですが、この導入部にはかなり惹き付けられるものがあります。 個人的に思うのは、胡金銓は、物語の転調が抜群に巧い監督です。 この人の映画は、基本的に物語の核心部分へ迫るのは本当に最後のクライマックスで、それまでは「溜め」の部分に付き合わされることになります。時として、その演出や映像美学は「退屈」に映ることもありますが、胡金銓の映画は、この「溜め」の部分を愉しむ映画と言うことも出来ます。 他作品を含め、胡金銓の演出に共通していることは、物語の結末(決着)に対しては、異様なまでの冷淡さを覗かせると言うこと。反面、胡金銓の武侠映画は、登場する剣客たちに如何にして剣を抜かせないかに腐心しています。 この『侠女』の前編でも、その前半部分を怪奇譚とすることで観客を煙に巻き、ある場面を境に転調を迎えてからは一気に武侠映画へと姿を変えていきます。この手並みが、本当に素晴らしい。 実は、私はこの映画を初めて観た時、この怪奇譚の導入部に少なからずショックを受けていました。この映画が「武侠映画の規範」と呼ばれていただけに、勝手に、もっと純粋な武侠活劇を期待していたのです。 ところが、結局はその落胆からの反動も手伝って、胡金銓の鮮やかな手並みを思い知る結果に。 さらに、この映画のクライマックスは、武侠映画ファンなら必見、そうでなくとも胡金銓の凄さを見せ付けられることになる、あの有名な「竹林の決闘」へと雪崩れ込んでいきます。 この場面については、何も語らないことにします。 と言うか、私には何も語れない(笑)映画は物語であり、同時に映像体験でもあります。である以上、これほど圧倒される場面と言うのは、それはやはり読んで知るものではなく、観て感じるべきものだと思うから。 さて、『侠女』の前編は、この「竹林の決闘」で完結。後編は、再びこの場面から再開され、物語は新たな展開を迎えることに。但し、この後編の存在が『侠女』と言う映画の評価を難しくしています。 本音を言うなら、この前編だけで完結して欲しかった。 もしそうであれば、私は、この映画を、胡金銓の最高傑作だと断言したでしょう。 しかし、『侠女』は元々が一本の映画として製作されており、単に上映時間が長くなったために二部構成にされただけ。であるならば、やはり、その評価は一本の映画として下されるべきだと思うのです。 まあ、後編の話は、またいずれ。 前編に限れば、映画的完成度も、その面白さも、さすがの一言に尽きます。 この前編、見る価値は大いにあると言わせて頂きます。

スタッフ・キャスト

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受賞歴

カンヌ国際映画祭第28回

フランス映画高等技術委員会賞

基本情報


タイトル
侠女 第一部:チンルー砦の戦い

原題
侠女/A TOUCH OF ZEN

上映時間

製作国
香港

製作年度

公開日
-