あらすじ・解説
解説:allcinema(外部リンク)
作品レビュー(2件)
- le_********
5.0点
このレビューにはネタバレが含まれています。 - 一人旅
3.0点
TSUTAYA発掘良品よりレンタル。 ローレンス・ハンティントン監督作。 愛する女性を死に追いやられた外科医の復讐の顛末を描いた犯罪心理サスペンス。 1947年製作のイギリス・モノクロ映画。主演はジェームズ・メイソン。犯罪心理学の教授が学生たちに“正常な人間による殺人”の事例を講義するかたちで、愛する女性を悪意に満ちた言葉により死に追いやった性悪な義妹に対する外科医マイケルの復讐劇とその末路を描き出しています。講義中の教授と、彼が語る事例に登場する外科医が同一人物として進行していく犯罪心理サスペンスで、外科医による復讐計画が着々と進んでいく中、ある一点において教授と外科医の行動がリアルタイムで合致を見せていく二重構造&合流構造を持った作りであることが特徴です。 正常(善)・異常(悪)の境界をテーマにした作品であり、自身の正義観に基づき復讐殺人を遂行しようとする=自分の中の善「正常者」と、自分に対する周囲の人間からの客観的評価=他人から見た自分(悪)「異常者」の狭間で外科医マイケルは激しく葛藤します。正義のために殺人を犯す行為は自分の中では正しいと思っていても、他人から見ればそれは明白に間違った行為であるとしか判断されない。自分の信じる善が他人の発言からの影響を受けることで一挙に崩れ去っていくのです。そうした、一市民しかも外科医兼大学教授という社会的地位のある人間が、殺人計画の過程で善と悪の狭間で揺れ動き苦悩・葛藤した末に絶望的末路を辿っていく姿を追った繊細な犯罪心理サスペンスの佳作です。主人公が学生の前で大前提として示す“正常な人間による殺人”が後になって皮肉的に利いてくる作劇が秀逸ですし、主人公を言葉で絶望の淵に追いやった“正常”な人間も結果的には義妹とやっていることは変わらないという皮肉が込められています。自分の言う正常ほど信用できないものはないのです。
スタッフ・キャスト
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