禁じられた恋の島

L'ISOLA DI ARTURO/ARTURO'S ISLAND

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禁じられた恋の島
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作品情報上映スケジュールレビュー

あらすじ・解説

解説:allcinema(外部リンク)

作品レビュー(3件)

切ない37.5%悲しい25.0%ロマンチック25.0%知的12.5%

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    5.0

    アルトゥーロの島

    『禁じられた恋の島』は、エルサ・モランテ(池澤夏樹編集の世界文学全集で読むことができる)の原作『アルトゥーロの島』。原題もそのまま『アルトゥーロの島』で、邦題はもう少し内容が把握しやすいものになっている。 エルサ・モランテは、アルベルト・モラヴィアの奥さんで、モラヴィアが好きでよく読んでいる人なら、この関係性に面白さを感じるかもしれない。 アルトゥーロとヴィルヘルムにおける男尊女卑の性向(原作ではこの地域における歴史的な性向でもあると記述があるが)は、作者が女性であることを鑑みると、さらに深い味わいがもたらされると思う。そしてアルトゥーロの恋の移りゆき。ヴィルヘルムの秘密。女らしさが増してくるヌンツィアータ。 ラブストーリーと一語で切り離すことのできない複雑な心情がこの『禁じられた恋の島』の醍醐味と言っていい。母に対する憧憬と、ヌンツィアータという妙齢の女性に対する恋情が複雑に絡み合う。神格化した父という存在と、理想的な男子という神話。それが重層的な陰となってアルトゥーロに覆いかぶさってくる。 ラストは忘れられない。かつ映画史に残るレベルのシーンと言っていいくらい純粋な清涼感と切なさに満ちており、バックの南イタリア風の切ない音楽と相まって美しい詩情を生んでいる。アルトゥーロの成長物語でもあり、世代交代の物語でもあり、女と男の愛情、そして友情の複雑に混じり合った心情をつづる物語でもある。

  • 一人旅

    3.0

    少年と継母の禁断の恋の行方は…

    TSUTAYA発掘良品よりレンタル。 ダミアーノ・ダミアーニ監督作。 ナポリ湾に浮かぶ島を舞台に、父親が連れ帰った若い継母に対する少年の恋を描いた青春ドラマ。 “少年と継母の禁断の恋”を描いたイタリア映画で、放浪癖のある父親が旅先から妻として連れ帰った若い継母に恋する少年アルトゥーロの繊細な心情と、精神的に父親に依存する少年の心の自立と成長を、モノクロの島風景&メロディアスな音楽で綴った作品。 若い継母と言っても少年と年齢がほとんど変わらない(1~2歳差)。新しい母親というより同級生の美しい女性が突然現れた感じなので、アルトゥーロの心は激しく揺れ動くことに。いくら父親の女であるとはいえ、いきなり同じ家に見知らぬ美人が住み着くともなれば意識せざるをえない。それに、父親は放浪癖のある“クズ男”で、浅黒い肌のアルトゥーロを黒人に対する蔑称で呼んだり、妻として迎えたばかりの継母にも冷たい態度を取る。しまいには、ふらっとまた旅に出てしまい、家にはアルトゥーロと継母だけが取り残される展開に。こうなればもはやアルトゥーロの独壇場で、ここぞとばかりに自分の恋心を必死にアピールする。それがちょっと狂気的で、生まれたばかりの赤ちゃんに嫉妬するあまり大量の薬を飲んで自殺を図り継母から同情を得ようとしたり、継母が食べたメロンのかじり跡に唇を密着させるという変態っぷりが凄烈。 それまで恋を知らなかった純朴な少年にとって、若く美しい継母の出現はあまりに刺激的。父親に認めてもらえない孤独な少年から、初めての恋に燃えるアグレッシブな少年に様変わりする。果たしてアルトゥーロの恋の結末は…。 少年の心理描写が出色で、少年と継母の禁断の恋といういかにもメロドラマ向きの悲恋をダミアーニ監督の繊細な演出が支えている。ピエトロ・ジェルミの『越境者』(1950)『鉄道員』(1956)『誘惑されて棄てられて』(1963)などで知られるイタリアを代表する作曲家カルロ・ルスティケリによる情感に満ちた音楽も印象に残る。

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    5.0

    主人公アルトゥロ少年のモデル

    「禁じられた恋の島」は昔10代の頃に観て、本当に感激した忘れられない映画です。最近、全く偶然に原作者エルサ・モランテの夫(晩年離婚)のアルベルト・モラヴィアの「モラヴィア自伝」を読んでいたら、「禁じられた恋の島」の主人公アルトゥロ少年のモデルは、「酩酊船」などで知られるかのフランスの天才詩人アルチュール・ランボーであるとの指摘があり理解が一気に深まった気がしました。エルサ・モランテは、ランボーの心酔者で、本人からプレゼントされた肖像画を大事に持っていたそうです。そういえば、ナポリ湾に浮かぶ小島プロチダ島に自然を友として育ったアルトゥロ(ヴァ二・ド・メグレ)のあの孤独、誇り高さ、少年ながら知性溢れる独学者ぶり、繊細な美貌と容姿などは、まさにランボーのイメージそのものです。1957年に「アルトゥロの島(原題)」が刊行された時、国際的にも大きな反響を呼び、「崇高なという言葉で形容するほかないような作品」(ニューヨーク・タイムズ)、「エルサ・モランテは少年アルトゥロを通じて世界文学に一つのもっとも美しい少年の形象を与えて世界文学を豊かにした」(ノイエ・チューリッヒャ・ツァイトゥング紙)と讃えられた(大久保昭男 河出書房版「世界文学全集 III-18 禁じられた恋の島」解説)とおり、小説の読後も、映画を観た後も、切ないながら何か類まれな美しいものを胸に注ぎ込まれた感動はどんなに時がたっても鮮明なのです。2008年に、同じく河出書房新社から「池澤夏樹個人編集 世界文学全集」に「アルトゥロの島 」という原題で新訳も出ました。映画は監督ダミアノ・ダミアニ、 カルロ・ルスティケリの音楽も美しく、ひとたび観れば、極上の一時と、極上の思い出とが得られます。

スタッフ・キャスト

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基本情報


タイトル
禁じられた恋の島

原題
L'ISOLA DI ARTURO/ARTURO'S ISLAND

上映時間

製作国
イタリア/アメリカ

製作年度

公開日
-

ジャンル