あらすじ・解説
解説:allcinema(外部リンク)
作品レビュー(2件)
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5.0点
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4.0点
アン・ブーリンが処刑される迄を描いた『1000日のアン』に続き チャールズ・ジャロット監督が描いた、アンの娘エリザベスと、 スコットランド女王メアリー・スチュワートを主軸に据えた歴史劇。 エリザベスにグレンダ・ジャクソン、メアリー・スチュワートに ヴァネッサ・レッドグレーヴという、英国きっての名女優が、まさに ガチンコ対決(オープニングのキャスト表記も同列)でしのぎを削る。 もっとも、題名の通り、基本はメアリーの数奇な運命のドラマを 主軸としているので、尺はメアリー側に寄ってはいますが、 表面上は王位継承権を巡って、背景には宗教対立が横たわり、 実際は女×女の、お互い一歩も譲らぬ火花バチバチの乾いた対決、 その激突ぶりと衝撃の幕切れまでを、存分に堪能できます。 (『エリザベス:ゴールデン・エイジ』ではケイト・ブランシェットは 続投、メアリー役はサマンサ・モートンが演じていました) “愛と悲しみ…”なんていう時代を感じさせるサブタイが付されて いますが、メアリーの人生の荒波ぶりからは、愛などはかき消され、 悲しみばかりが、針が振り切れるほど襲い掛かり続ける印象。 それでも、やはり愛を求めて更に悲劇の堝に落ちていくメアリーと 権謀術数に長け、どう転んでも私の勝ちだ…と高笑いのエリザベス との対比が、かなり色濃いコントラスで(ある意味とても解りやすく) 悲劇は進行していく。 幽閉したメアリーをいつでも処刑できる立場にもかかわらず お互いの名誉を損ねない形で彼女の命だけは救おうとするなど、 エリザベスの(実はかなり揺れている)複雑な心境を演じたグレンダ・ ジャクソン、悲劇の連続攻撃に耐えながら、それでも愛を求め続けた メアリーをシャープに演じた、ヴァネッサ・レッドグレーヴ共に いずれ劣らぬ大熱演。 (お二人ともオスカー女優ですが、本作では、後者がノミネート、 前者は、別の作品『日曜日は別れの時』でノミネート) この女優対決だけでも十分豪華なところに、イアン・ホルム、 パトリク・マクグーハン、ナイジェル・ダベンポートなどなど、 男優陣が手堅くサポートした布陣も隙が無い。 (エリザベスが差向けた捨て駒男の、勘違いの果ての哀れな末路を 若きティモシー・ダルトンがエネルギッシュに演じているのも見所) 女同士の宿命の対決に寄り添うにはソフト過ぎる感じもしますが、 ジョン・バリーの音楽もいつもながら酔わせてくれます。
スタッフ・キャスト
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