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グーニーズ (1985)

THE GOONIES

監督
リチャード・ドナー
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3.90 / 評価:1369件

80年代を代表するファミリー向け冒険映画

今回取り上げるのは1985年の『グーニーズ』。日本ではその年の12月に公開された。同時期に公開された「バック・トゥ・ザ・フューチャー」「コクーン」そして本作の頭文字を取って「86年の正月映画はBCG決戦」などと言われた。監督のリチャード・ドナーは「オーメン」「スーパーマン」「レディホーク」「3人のゴースト」「リーサル・ウェポン」シリーズ、「マーヴェリック」など、様々なジャンルの娯楽映画でヒット作を手がけている。

製作総指揮にスティーブン・スピルバーグ、フランク・マーシャル、キャスリーン・ケネディとおなじみの顔ぶれが並ぶ。脚本のクリス・コロンバスは後に「ホーム・アローン」や「ミセス・ダウト」、「ハリー・ポッター」の初期2作の監督を務めている。音楽は「黄昏」などのデイブ・グルージンと、錚々たるメンバーが本作に参加していた。忘れてならないのはシンディ・ローパーが歌ったノリのいい主題歌「グーニーズはグッドイナフ」。まさに80年代の空気をいっぱいに発散した映画と言える。

錚々たるメンバーといえば、本作がTBSでテレビ放映された時の豪華声優陣は語り草になっている。面白いのは主人公の兄ブランド(ジョシュ・ブローリン)の声を当てたのがタキシード仮面の古谷徹で、彼のガールフレンドのアンディ(ケリー・グリーン)を演じたのがセーラーマーズの富沢美智恵である事だ。スペイン語をしゃべる口達者なマウス(コリー・フェルドマン)の声を当てた野沢雅子の達者な演技も懐かしい。

現在の映画は日本語吹替え版での公開が多くなったが、『グーニーズ』の時は字幕版のみであった。本作は複数の子供たちが同時にしゃべり叫ぶ場面が多い。画面に表示できる字幕の文字数は限られるため、翻訳者・戸田奈津子は頭を抱えたという。結局ストーリーの本筋に近いセリフのみを採用し、それ以外は削らざるを得なかった。そんなエピソードを当時購読していた雑誌「ロードショー」で読んだ記憶がある。

グーニーズのメンバーで一番人気があったのは発明家のデータ(キー・ホイ・クァン)で、「インディ・ジョーンズ/魔宮の伝説」でおなじみの上に同じアジア系という親近感があったのだろう。主人公のマイキー(ショーン・アスティン)は喘息持ちの上に歯に矯正器を付けた、一見弱そうな少年だ。しかし父親から海賊ウィリーの伝説を聞いて育ち、密かに冒険心をふくらませてきた。私たち観客と映画の世界の橋渡しとなる役である。アスティンが「ロード・オブ・ザ・リング」で恰幅のいい姿で登場した時は驚いた。

チャンク(ジェフ・コーエン)はお笑い担当の太っちょキャラで、多くの見せ場が与えられている。同じ傾向の映画「SUPER8」では太っちょキャラが子供たちのリーダー格になっており、時代によって子供の描き方は変わってくるのだと思う。笑えるシーンといえば悪党のフラッテリー一家に捕われたチャンクが悪戯の前科をベラベラとしゃべるシーン、マウスがマイキーの母親の言葉をスペイン語で物騒な内容に翻訳するシーンを思い出す。

グーニーズのメンバー以外では、マイキーの兄ブランドを演じるジョシュ・ブローリンは「ミルク」などで性格俳優として成功を収めている。個人的にいちばん好きだったのはアンディの友達のステファニー(マーサ・プリンプトン)で、願い事をする井戸の地下での優しさが忘れられない。ドジな悪党フラッテリー一家は、「ホーム・アローン」の強盗コンビの原型になったのだろう。
忘れてならないのはチャンクと友情を結ぶ異形の怪人スロースで、崩れた顔は今見てもドキリとさせる。80年代は「北斗の拳」に「ロボコップ」「悪魔の毒々モンスター」など、「崩れた顔」がサブカルチャーのトレンドになっていたのだと思う。

本作は宝探しをめぐる冒険活劇であり、映画の多くが地下の場面となる。現在ブルーレイで再見すると、地下洞窟の場面はわりと明るく映っている。でも公開時に映画館で観たときは、もっと薄暗く不気味な感じに見えていた。当時の映画館は、情報量の限られた字幕版でも盛んに笑いが起こっていた記憶がある。昔と今とでは受ける印象はだいぶ変わってくるものである。

85年当時は「アトラクションムービー」という言葉はなかったが、ちょっと前に東京ディズニーランドが開業し、スピルバーグの「インディ・ジョーンズ」シリーズのヒットもあって、観客がこうした映画を受け入れる素地があったのだろう。批評家受けは決して良くなかったが、本作は現在でも熱狂的なファンを獲得しており、たまに続編製作の噂がネットのニュースに出る事がある。
でも続編が作られる事はないだろう。オリジナルのキャストが再結集するのは難しい上に、海賊船が外海に出てくるラストシーンで全て終わったと、これ以上語るべき物語は何もないという感じが強くするのだ。

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