草の上の昼食

LE DEJEUNER SUR L'HERBE

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草の上の昼食
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作品情報上映スケジュールレビュー

作品レビュー(5件)

ファンタジー15.4%笑える15.4%コミカル15.4%楽しい15.4%セクシー7.7%

  • 一人旅

    5.0

    ルノワールの幸福論

    ジャン・ルノワール監督作。 フランスの巨匠:ジャン・ルノワールがキャリアの晩年に撮った恋愛喜劇で、著名な生物学者と田舎娘の惹かれ合いを通じて人間性の素晴らしさを謳い上げています。 人工授精推進派の生物学者(ポール・ムーリス)が、伯爵令嬢との政略結婚を祝う昼食会の場で農家の純朴な娘(カトリーヌ・ルヴェル)と出逢い惹かれ合ってゆく様子を描いた恋愛喜劇で、男女の自然な恋愛感情&性交渉の必要性を真っ向から否定する科学派&合理主義な生物学者が図らずも一人の田舎娘に夢中になる様を、南仏プロヴァンスの風光明媚な自然風景に乗せて綴っています。 ヤギ飼いのみすぼらしい男が笛を吹くと何処からともなく突風が吹き荒れ、それをきっかけに人間本来の自然な感情&欲望が人々の間で一気に溢れ出ていくという半ばファンタジックな映像演出が大変素晴らしい一篇で、突風を受けた生物学者もまた豊満&純情な田舎娘に対する恋心&欲望に心と体を突き動かされていきます。 人間が抱く本来の感情を科学的見地から否定するのではなく、自然のままにそれを享受することが幸福への最良の方法であることを気取らずユーモラスに教えてくれる“人間賛歌”で、科学を信奉していた生物学者が言い放つ「科学は粉砕」というそれまでの主張を転回させた発言や取巻きを困惑させる突飛な行動の数々が愉しいですし、初期作『ピクニック』(36)を彷彿させる川沿いの煌びやかな自然美やルノワール監督とは縁の深い名作曲家:ジョゼフ・コズマによる陽気&開放的な音楽も適所で輝きを放っています。

  • UBUROI

    5.0

    ルノワール的でたらめの極地

    幸福な映画とはこのような作品のことをいう。映画の幸福をここまで感じさせる作品はまれだ。笛をふくと大嵐だ。人工授精の先生方はじめ紳士淑女たちのピクニックがすっかり吹き飛ばされて、てんやわんや椅子やテーブルははじけ飛び、スカートはめくられ、人たちは立っていられず、ようようクルマに乗り込もうとする。人工授精の権威なんとか教授は、学生の集まりに招かれて一夜のキャンプに紛れる。風でなびく草、タルコフスキーの草以上にでたらめなこのシーンによって、なんとか教授は子どもをもうけるのだ。教授の人工授精研究にあこがれた田舎娘ネネットが、教授の家のメイドなのだ。ネネットは山の中にあるせせらぎ、透明感のある水がゆったり流れている川で水浴するのだ。うっかり教授はその姿を見てしまう。笛の音が嵐を呼ぶように、娘の裸は教授の胸の中を平静でいられなくしてしまうのだ。笛の音と比べるとしかしあまりに平凡な心の動きなのだが、人工授精の先生が自然な生殖行為に誘われていく不思議と皮肉がまさにルノワールといっていい。

  • ********

    5.0

    対立を解きほぐす風

    1959年。ジャン・ルノワール監督。人工妊娠を推進する科学者と自然のなかで育った若い娘の出会い。階級、年齢、考え方、すべての対立をこえてひとつになるカップル。南仏の光と自然が存分に取り入れられた美しいコメディです。 冷静で科学的、欧州連合の大統領に立候補しようというエリートの科学者は、愛と妊娠を平然と分けている。ところが、ふと見てしまった娘の裸によって、抑えきれない高揚感が芽生えてしまう。。。すばらしいのは、最初にあった対立が、どんどん一つになっていくこと。マネの同名の絵画「草の上の昼食」では、前方にくつろぐブルジョワ男性2人と裸体の女性、後方に水浴びする古代的な女性という明確な対立がありますが、これが映画では融合していくということらしい。バイクに二人乗りする幸福感! そしてそのきっかけは、羊飼いの男が吹く横笛(ルノワール監督の得意技)による強風。すべてを吹き飛ばして対立をなくしています。南仏プロヴァンスの光と風があってこそのすばらしい映画です。ぜひ画質のよい状態でご覧あれ。

  • fbx********

    4.0

    まさに絵画

    ただ映像を見ているだけで幸せになれる映画。 こんな映画、ルノワールにしか作れまい。 ある意味父へのオマージュか。 絵画のような映像に酔いしれる。

  • dqn********

    3.0

    「幸せとは自然の理に従うこと」

    人工授精推進派の科学者が、南仏の輝かしい風景と、そこで出会う健康美に溢れた女性との恋を通じて、自然な愛に目覚める。 主人公・アレクシ(ポール・ムーリッス)が言うセリフ=「幸せとはおそらく自然の理に従うことなのだ」、これが本作のテーマをよく表現している。 自然>科学の単純な図式はやや退屈であるが、南仏カーニュのまばゆい自然描写(陽光・水・緑)とアレクシが恋する田舎娘・ネネット(カトリーヌ・ルーヴェル)の素朴だが健康的な美しさが欠点を補い、最後は暖かい気分になる。 特にカトリーヌ・ルーヴェルがヌード(といっても後姿だけど)を見せるシーンの溌剌としたエロスは格別である。ピクニック中、山羊をつれたお爺さん(=牧羊神)の吹く笛の音を合図に、みなが本能的欲求に従い動き出す場面が面白い。 ルノワール的多幸感に溢れた佳作。

スタッフ・キャスト

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基本情報


タイトル
草の上の昼食

原題
LE DEJEUNER SUR L'HERBE

上映時間

製作国
フランス

製作年度

公開日
-