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草の上の昼食

草の上の昼食

LE DEJEUNER SUR L'HERBE

93

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5.0

対立を解きほぐす風

1959年。ジャン・ルノワール監督。人工妊娠を推進する科学者と自然のなかで育った若い娘の出会い。階級、年齢、考え方、すべての対立をこえてひとつになるカップル。南仏の光と自然が存分に取り入れられた美しいコメディです。 冷静で科学的、欧州連合の大統領に立候補しようというエリートの科学者は、愛と妊娠を平然と分けている。ところが、ふと見てしまった娘の裸によって、抑えきれない高揚感が芽生えてしまう。。。すばらしいのは、最初にあった対立が、どんどん一つになっていくこと。マネの同名の絵画「草の上の昼食」では、前方にくつろぐブルジョワ男性2人と裸体の女性、後方に水浴びする古代的な女性という明確な対立がありますが、これが映画では融合していくということらしい。バイクに二人乗りする幸福感! そしてそのきっかけは、羊飼いの男が吹く横笛(ルノワール監督の得意技)による強風。すべてを吹き飛ばして対立をなくしています。南仏プロヴァンスの光と風があってこそのすばらしい映画です。ぜひ画質のよい状態でご覧あれ。

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