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靴みがき (1946)

SCIUSCIA/SHOESHINE

監督
ヴィットリオ・デ・シーカ
  • みたいムービー 11
  • みたログ 65

4.05 / 評価:20件

現代日本とはまったくちがう世界

  • cyborg_she_loves_me さん
  • 2018年4月7日 13時10分
  • 閲覧数 156
  • 役立ち度 0
    • 総合評価
    • ★★★★★

 終戦直後のイタリアというところが、現代の日本などと、どれほど何もかもちがうかということを、あらためてじっくりと考えさせてくれる。
 この画質も音質も猛烈に悪い古い映画を今引っ張り出してきて見る価値があるとすれば、そのあたりでしょうかね。特に感動を呼び起こすシーンがあるわけでもなし。特に深い人間洞察が込められているわけでもなし。上に書いたような関心なしに、ただ漫然と見ていたら、大半の人はたぶん退屈するだろうと私は思います。

 何よりまず「靴みがき」というのが職業として成り立つこと自体、今の世界では考えられませんよね。ほとんどの人が革靴をはいていて、しかも道路は砂利道か、舗装されていても(アスファルトじゃなくて)石畳なので、自動車が通っただけで砂埃が舞い上がる。

 そして、そういう町に横行する、暴力、盗み、詐欺、ヤミ市。金が有り余ってるやつから金を騙し取って何が悪い、という通念が成り立っている世界。そういう犯罪に手を染めた少年たちが大した取調べもされぬまま次々に放り込まれてあふれかえっている少年鑑別所。取調べや矯正という名目のもとで日常的に行なわれる暴力。

 この映画の悲劇的な結末は、こうした人間と人間との信頼関係というものが根本的に崩壊した世界がもたらした帰結のひとつに過ぎません。
 パスクアーレとジュゼッペのような親友同士ですら、しばらく別室に引き離されていただけでもう、お互いのことをとことん信用することができなくなる。
 戦争が人間をこんなふうにしたのか、あるいは国民性というものが大きいのか。そんなことを考えながら見ていました。

 楽しく能動的に何度も見たくなる映画じゃないですが、時々見ていまの自分がじつはとてつもなく幸せなのだと実感するにはいいかなとは思います。

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物語
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音楽

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