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グレムリン (1984)

GREMLINS

監督
ジョー・ダンテ
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  • みたログ 4,585

3.69 / 評価:1047件

「つくりもの」っぽさのあたたかさ。

  • ウツボヤマネコ さん
  • 2011年12月6日 22時03分
  • 閲覧数 779
  • 役立ち度 13
    • 総合評価
    • ★★★★★

CGの登場は、不可能を可能とした。物理法則の壁を破り、これまで見たことのないキャラクター達がまるで本物の生命をもったように縦横無尽にスクリーンを駆け巡る。作りものなのか、そうでないのか。どんなに目を凝らしてみても、並みの人間にはもはや判別不能なほどである。ほんの20年で、映像の質は大幅な進歩を遂げた。それまでにないリアリティ溢れる映像に観る者は魅了され、既存の技術は瞬く間に過去の遺物となった。

「作りもの」かどうかすらわからないクォリティ・・・そこだけ取ってみれば、それは紛れもない進歩と言えるだろう。だがその一方で、映画から「あるもの」が失われてしまったとも感じるのは、オイラだけではあるまい。勿論CGの登場は映画の可能性を大いに広げてくれたわけだし、今更「CGは不要」などと言うのは時代錯誤もいいところだ。だが、リアルな映像が当たり前になったからこそ、もう一度過去の映画を観直す時期に差し掛かって来ているのではないか、とも思う。かなり前置きが長くなったが、本作を観て、オイラは本当にそう思ったのだ。

本作に登場するものは、何から何まで「つくりもの」っぽい。ギズモやグレムリンのパペットは言わずもがなだが、街並みひとつとってみても明らかにセットだとわかるシロモノで、リアリティがあるなどとはお世辞にも言えない出来栄えだ。

だが、その「つくりもの」っぽさが、思いもよらない効果を生み出す要因となるのだから面白い。リアリティとはかけ離れた「虚構」の世界・・・そこに、今の映画からは考えられないような「あたたかさ」を感じるのだ。そう、そもそも映画とは空想の産物なのだ。たとえノンフィクション作品といえど、人が演じる時点でそれは作りものなのである。ならば、なにも全てがリアリティに染まらなくてもいいのではないか?

笑いとやさしさに満ちた、空想の世界。本作の舞台を一言で表せばこうなるだろう。誰が観てもバカバカしく、チャチで安っぽい。だが、それがこの「グレムリン」という作品にこれ以上ないほどの魅力を添えていると思うのだ。これがもし、ギズモもグレムリンも、キングストーン・フォールズも全篇リアルなCGで描かれていたらと想像してみて欲しい・・・どう考えても本来の面白さを保てるとは思えないのだ。

ホンモノと見紛う映像もいい。作りものっぽさを感じさせないリアリティもいい。だが、こと本作のような娯楽作品には、遊び心に溢れた「あたたかさ」というものも忘れないで持っていてほしい、と強く思う。本作をチャチでクダラナイと一蹴するのは簡単だ。しかし公開から30年近く経った今も、多くの人の心でギズモ達はあの狂騒的なテーマソングに乗せて踊りを踊っている。本作には、チャチでクダラナイからこそ持てる溢れんばかりの魅力が詰まっているのだ。

表現の手法は変われど、本作のようなあたたかさを持った作品が、またいつの日か観られることを願っている。

詳細評価

物語
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演出
映像
音楽

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