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黒い罠 (1958)

TOUCH OF EVIL

監督
オーソン・ウェルズ
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3.71 / 評価:84件

「 よくわからない 」が 正しい見方

  • 沢口なつき さん
  • 2017年4月1日 20時56分
  • 閲覧数 540
  • 役立ち度 1
    • 総合評価
    • ★★★★★

当初オーソンウェルズは監督ではなく役者だけのはずだったが、チャールトンヘストンが何を勘違いしたかオーソンウェルズが監督なら主演してもいいと言ったことにより降板されては困ると思った映画会社がオーソンウェルズに急遽監督を依頼した。

ダウンタウンの松本人志が一番好きな映画ペーパームーンの監督ピーターボグダノヴィッチも何回も見たがよく分からないとオーソンウェルズに直接言って嫌な顔をされたという経緯がある。


よくわからないには理由があり、 普通物語の冒頭で車を爆破した犯人を探すのが通常の物語だが、 この映画では途中から話がそれてオーソンウェルズ演じるクインラインの今までのお手柄は実は本人の証拠のでっち上げによってもたらされたものなのではないか?という方向に変わっていく。


それとオーソンウェルズ監督自身が主人公バルガスが作中でうまくいかずイライラする様を観客にも味わってもらおうとわざとイライラさせるように作っていること。


そして自分の意図とは違うように映画配給会社が編集してしまったこと。


なのでわからないのが普通でわかったような口をきいている人は本当は何も分かっていないということ。


面白いのはクインラインが仲間を守った時に負ってしまった足の障害がうずくと事件に対する勘が働くという演出。

自分の娘が昔絞殺されてしまい、犯人の確証はあったのだが証拠が なかったために証拠をでっち上げて有罪にしたという過去があり、 そこから証拠のでっち上げが始まった。


しかし物語のラストで確かに証拠はでっちあげだったが勘が正しかったということが証明される。

実際にサンチェスという取り調べを受けていた者が犯人でもあった。


つまりクインラインは 間違っていなかったということだ。


なのでラストはタナの「 あいつは間違っていたかもしれないがすごい男だった」というセリフで終わる。



他人の 評価とは一体何なのだろうか?
真実はどこにあるのか?

それはオーソンウェルズが市民ケーンで新聞王ランドルフをコケにしてハリウッドを追放されてしまった自分の心の叫びでもあっただろう。


ちなみに、この映画でキーワードとなっている杖は英語でCANE、 市民ケーンのケーンは英語でKANE、 発音は両方とも全く同じケーン。
市民ケーンのケーンは、もともと特権階級の人たちは民衆の杖(ケーン)とならなければいけないというダブルミーニングの意味で付けられている事を受けて本作でも 重要なアイテムとして使われている。

詳細評価

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