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原子怪獣現わる

原子怪獣現わる

THE BEAST FROM 20,000 FATHOMS/PANIC IN NEW YORK

80

カーティス

3.0

日米モンスター観の差

ハリーハウゼンの単独長編デビュー作。水爆で怪獣が復活して人類の脅威になるという王道パターンを確立した記念すべき作品でもあります。 見どころはなんといってもリドサウルス!(…だけ。正直ドラマの出来は同時期のB級モンスター映画の中でもあまり良くないです。流石に「水爆と深海の怪物」ほどではありませんが)漁船や灯台を襲うシーンでも全身をさらけ出しちゃう低予算映画にあるまじきサービス精神に、街に上陸してからの暴れっぷり!けっこうな速さで町の中を突き進んだり、ビルを突き破ったりと、エメリッヒ版ゴジラを彷彿とさせるシーンが多数あって興味深いです(そういえばどちらもマンハッタンが舞台なんですよね)。予算の都合か登場シーンが短めなのが不満ですが、限られた尺の中でも印象的な活躍ができていると思います。 ゴジラといえば、本作とゴジラを類似点が多く、公開時期も近いのでよく比較されることがありますが、似ているようでけっこう違う。一番の違いは、リドサウルスは生物であることが徹底されているのに対し、ゴジラは超自然的な存在(あるいは戦争のメタファー)として描かれている点です。この辺に日米のモンスター観の違いが出ているように思います。特撮スタイルの違いについても、着ぐるみではリドサウルスの生物感をここまで出せなかっただろうし、逆にストップモーションアニメではゴジラの重量感は表現しきれなかっただろうという感じで、両作品を見比べてみるとそれぞれの違いと良さが見えてきてなかなか面白いです。機会があったらぜひ見比べてみてください。

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