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検事Mr.ハー/俺が法律だ (1986)

執法先鋒/PROSECUTOR MR. HSIA/RIGHTING WRONGS

監督
コリー・ユン
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3.80 / 評価:5件

元彪の本気が炸裂する代表作

  • lamlam_pachanga さん
  • 2013年12月28日 23時05分
  • 閲覧数 1392
  • 役立ち度 4
    • 総合評価
    • ★★★★★

本作は86年製作の香港映画で、当時、洪金寶(サモ・ハン)や成龍(ジャッキー・チェン)と共に“香港ゴールデントリオ”として大人気だった元彪(ユン・ピョウ)主演のハード・アクションです。

今も業界で大大哥(大大兄貴)と呼ばれる洪金寶、大哥(大兄貴)と呼ばれる成龍、或いは本作でも監督を務める元奎(コリー・ユン)などの七小福出身者に比べ、元彪はその“末弟”としての立場や、本人の控え目なキャラクターもあって、“独り立ち”と言う意味では伸び悩んでいました。所属するゴールデン・ハーベストの社長・鄒文懐(レイモンド・チョウ)は、そんな彼に、洪金寶、成龍から独立した映画製作を促します。

元彪自身はそこまで“独立”と言うことにこだわりがなかったそうですが、やるからにはと言うことで企画段階から洪金寶の助けを断ったそうです。元彪主演作は、これ以前にも『ドラ息子カンフー』をはじめ何本もありましたが、それらの映画には何らかの形で洪金寶か成龍が絡んでおり、完全独立作品と呼べるのはこれが初(製作会社は洪金寶のボーホー・フィルムですけど)。

そして、完成した映画は、今も“元彪の代表作”と呼んで差し支えない、素晴らしい功夫ファイトが連続するアクション映画でした。

英国で法律を学んだ検事・夏令正(元彪)は、法を逃れる者に正義の鉄槌を下すことを畏れない正義の男。自身が担当した麻薬事件の証人一家が暗殺者(ピーター・カニングハム)に惨殺されたことで、彼はその黒幕(田俊)を狙い、その部下たちを消していく。一方、警察幹部(黃錦燊)は容疑者が襲われるこの事態に、凄腕の女刑事(シンシア・ラスロック)を投入。検事こそが犯人と疑う彼女は、能無しの部下(元奎)と共に彼を追う...。

この映画を知らない人のために言っておくと、これは、当時、“ゴールデントリオの映画は家族向け”と思い込んでいた香港や日本のファンに衝撃を与えた作品です。と言うのも、監督の元奎は七小福の中でも最もハード・アクションの志向が強く、実際、早くからD&Bフィルム(ゴールデン・ハーベストのライバル会社)などでその分野を開拓した人で、本作もその流れを汲んでいるから。監督本人が演じるダメ刑事こそ一服の清涼剤的役回しですが、元彪演じる検事も、ラスロック演じる女刑事も、自身の考える“正義”に対して一切の妥協なく、かなりとっつきにくいキャラクターに設定されています。それだけに、二人が変に慣れ合いに陥らず徹底的に対立する筋書は、個人的には最高でした。

正直、このストーリーは現在では通用しないだろうし、それ以前にバカバカしいと切り捨てられる可能性もありますが、しかし、この当時はこうしたアクション映画が歓迎されていた時代であり、何より、そんなストーリーだからこそ主人公二人の超絶功夫が冴えわたる作品となったことも事実。

いや、主人公以外にも本作には凄腕の武打星が大挙起用されており、そのファイトシーンが長い香港アクション映画の歴史でも特筆すべき水準と言われるのは、当然と言えば当然なのです。

個人的に選ぶ本作のベストファイトは、やはり元彪とラスロックの中盤の闘い。狭い家の中で両者の打点の高い美しい蹴りが交錯しつつ、後半には手錠を使った小物バトルまで楽しめる素晴らしい仕上がりです。また、実に珍しい白人女流武打星二人の闘いも必見。今も女流武打星として香港最強と称されるラスロックと、本格派のカレン・シェパードが繰り広げるバトルは、あまりに凄すぎて絶句しちゃいます。これ以外にも、元彪とピーター・カニングハム(あのベニー・ユキーデの弟子)が繰り広げる暗殺ファイトも実に見応えがあり、クライマックスの元彪と黃錦燊(メルヴィン・ウォン)の闘いまで、観客を飽きさせることのない功夫ファイトが連続します。

まあ、七小福の兄弟子たちが口を揃えて“天才”と讃える元彪のポテンシャルの高さは、今さら私が言うまでもないことですが、それを存分に披露したのは、やはりこの映画だと思います。

『検事Mr.ハー/俺が法律だ』。

数バージョンが存在する物議を醸した後味最悪の幕切れまで、元彪の本気が漲る作品です。

詳細評価

物語
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演出
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音楽

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