ここから本文です

拳銃の報酬 (1959)

ODDS AGAINST TOMORROW

監督
ロバート・ワイズ
  • みたいムービー 1
  • みたログ 16

3.50 / 評価:6件

ロバート・ワイズのフィルム・ノワール

  • 一人旅 さん
  • 2016年4月29日 11時12分
  • 閲覧数 291
  • 役立ち度 5
    • 総合評価
    • ★★★★★

TSUTAYA発掘良品よりレンタル。
ロバート・ワイズ監督作。

法廷侮辱罪で服役していた元警官・バークと、彼に誘われて銀行強盗に手を染める前科者・スレーターと黒人歌手・イングラムが辿る運命を描いた犯罪ドラマ。

名匠ロバート・ワイズが撮ったフィルム・ノワールだが、残念なことに面白味・盛り上がりに欠ける。群像劇のようなスタイルを取っており、登場人物それぞれが置かれた環境や苦悩を掘り下げて描けてはいるが、その分ストーリーの統一感が失われてしまっている印象だ。

ヒモ生活を送るスレーターは自身の男としてのプライドを保つために、そしてイングラムは前妻と愛する娘を守るために犯罪計画に参加することを決意していく。ポイントはスレーターが差別主義者で、黒人のイングラムに対して偏見を抱いていること。そうしたスレーターの差別意識が原因となり、完璧に見えた犯罪計画に狂いが生じていく。ただ、スレーターの差別意識の描き方がぼんやりとしているため、“スレーターのあの行動が災いしたんだ!”と納得できる描写が充分に描き切れていない。

また、全編に渡って流れる気だるいジャズミュージックも手伝って、犯罪映画なのに終盤までダラダラした空気が充満している。フィルム・ノワールの特徴である光と影を強調した映像は影を潜め、ノワールらしさを堪能したい人には物足りない内容だ。それでも、銀行強盗決行のクライマックスは一転して緊張感に包まれる。犯罪一味の外側ではなく内側から自己崩壊していく様は呆気なく哀れで、人間の欲と愚かさが浮き彫りになる。

ラストシーンはラオール・ウォルシュの大傑作『白熱』を意識、というより丸パクリしているが、本家『白熱』と比較するとその壮絶さは100倍希釈されている。本作の監督がロバート・ワイズというのがこれまた意外で、見応えのある演出は少ないし、オリジナリティはないし、ノワールらしさもさほど感じられない。

ただ、役者の演技は安定感がある。首謀者・バーク役エド・ベグリーのどっしり構えた立ち振る舞い、前科者・スレーター役ロバート・ライアンの気難しさを全面に出した表情、黒人歌手・イングラム役ハリー・ベラフォンテの家族愛に揺れる繊細な演技。そして、スレーターと危険な関係に及ぶ人妻・ヘレンを演じたグロリア・グレアムの妖艶な仕草にドキッとする。

詳細評価

物語
配役
演出
映像
音楽

イメージワード

  • 絶望的
このレビューは役に立ちましたか?
利用規約に違反している投稿を見つけたら、次のボタンから報告できます。 違反報告
本文はここま>
でです このページの先頭へ