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恋人たちの場所 (1968)

AMANTI/A PLACE FOR LOVERS

監督
ヴィットリオ・デ・シーカ
  • みたいムービー 2
  • みたログ 18

3.29 / 評価:7件

目は口ほどにものを言うのである(笑)

  • ser***** さん
  • 2007年8月10日 19時46分
  • 閲覧数 339
  • 役立ち度 9
    • 総合評価
    • ★★★★★

 「愛してる」
 「愛してるわ」
 こんな言葉を平気で吐ける日本人は多分恋に現在進行形中のカップルか俳優、はたまた詐欺師に違いない(笑)。それほど日本人にとって未だに言葉の重みや軽さは批判の対象、はたまた人間の基準値として認識されている。例えば先日の参議院選挙。選挙中、首相が放った言葉の重さと軽さは一国のトップがどうあるべきかを如実に反映している。
 「奥さんと私、どっちをとるのよ!」
 と叫んだ愛人が、見事に奥さんをとられて玉砕、それでも泣いてすがりつくみっともなさを見せられた気分(笑)。感情に流されてそんな言葉を吐いた手前、後にはひけないというのが人間の生き方だが、それでもすがりつくみっともなさ。そりゃ国民は引きますよ(笑)。

 でも面白いもので人間というものはその相手の目を見れば大体、考えが分かってしまうもの。ポーカーフェイスでシラを通せる達人は別として、俳優といえどもその【瞳】の輝きでその言葉にどれだけ真実をもたらせるのかが全てのリアリティを決定する場となる。俗に言う【目力】
とでもいうものか。俳優にとってこの目力があるかないかが、実は人気が長く続く本当のバロメーターという気がする。

 例えばジャック・ニコルソン。二枚目というより怖い外見とは裏腹に、あの眼光から発せられる母性本能は未だに女性ファンの人気を放さない。例えば松田優作。死して尚、彼の人気が衰えないのはやはりあの目力。虚無的に見える瞳の奥にある自信と不安、そして反抗的な姿と孤独。全てがあの瞳から我々に放射されているのだ(笑)。
 まさに瞳=目は口ほどにものを言うのだ。

 で、冒頭の「愛してる」という言葉を世界中の女性ファンに発して本気にさせてしまう【目力】を持っていたのがマルチェロ・マストロヤンニ。あのあまりにも純粋そうな瞳で「アモーレ」なんて耳元で囁かれ落ちた女優は数知れず(笑)。死して尚、未だに彼の映画からは甘い言葉が真実の様に零れ落ちてくる。彼こそ最高のプレイボーイ俳優。ヨン様など彼に比べたらまだまだガキである(笑)。

 この作品において、そんな彼の言葉を胸に愛に生きるのはフェイ・ダナウェイ。ニューシネマのディーバ的な存在であり、ファッショナブルなフェミニストというイメージの彼女が、この映画では不治の病に冒された女性という役柄でイメチェンを見せるが、とにかく美しすぎる!映画よりも美しさでは彼女の作品中文句なしの美しさだ。
 こんなにはかなくも美しいダナウェイをその気にさせたのは何を隠そうマルチェロの【瞳】。この映画はまさに二人の出会いと愛の数日間を描くもので、アメリカ人は例のごとく【BOMB】映画のレッテルを貼るが、我々日本人にとってはそこらへんの下手な恋愛映画を見るより数段胸に来る。物語のベタさを感じさせない巨匠デ・シーカの演出の上手さとともに全てはマルチェロの瞳が全編を愛、というオブラートで包み込んだ秀作なのだ。
 
 一生をこんな男性に包まれて死にたい!この映画を見た女性ならそう思うことしきり(笑)。そんな絵空事の物語におけるリアリティこそがマルチェロ・マストロヤンニの【目力】の魔力である。
 「ひまわり」しきり「黒い瞳」しきり。彼の名作の多くがまさに俳優の瞳が放つ【言葉】によって生まれている・・・うーん、こんな男に私はなりたい!(笑)
 

詳細評価

物語
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