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幸福の設計 (1946)

ANTOINE ET ANTOINETTE

監督
ジャック・ベッケル
  • みたいムービー 4
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4.11 / 評価:9件

幸福の設計という下町劇

  • bar***** さん
  • 2018年8月27日 18時33分
  • 閲覧数 297
  • 役立ち度 0
    • 総合評価
    • ★★★★★

幸福の設計。ジャック・ベッケル監督。

『現金に手を出すな』や『穴』の独特な魅力を考えると、この『幸福の設計』や『肉体の冠』はどこかパワーが弱いように見えます。

この映画は2人の夫婦を軸にその周辺の人々を描いていくハートフルストーリーです。宝くじと妻アントワネットは物語の大きな引き金になっていきます。ですがどれもこれも物語にするにはやや小さすぎるというか、それがやや大げさに捉えられすぎているように感じられるのです。

もちろん内部世界、彼らにとっては重大な事件だったということがわかりますが、それよりも視聴者である我々にとって、この映像がいったいどういう意味を持つのかということを考えると、それは決してなおざりにしてはいけないポイントだと思われます。

重大な事件が何一つ起こらなかったことが問題なのではありません。そうではなくて、何一つ大きな事件が起こっていないのに、我々には納得のいかない方法で、それがまるで一大事件のように(登場人物たちの心理状態ではなく、作品の立場という意味です)表現されている構造に卑劣さを感じるのです。

私には、これが素晴らしい下町劇という印象は抱けませんでした。もちろんそういう作品でも傑作は存在します。しかしそれは私たちに伝えられる段階で、きちんと場の調和が図られ、この作品のように意味と設計の乖離が行われておらず、そのまま語られる事柄がスムーズに純粋なまま我々に受け取られるため、内部構造が理解しやすい作品ということです。

妙味、というのは私たちの見え方と大いに関係があり、そこをうまく掴んだ作品が傑作ということになります。この作品は語られていることこそ美しいものの、どこか作られたような、わざとらしい感じが否めません。力んでしまっていると言えばいいのか、単純にベッケルのミスだと思われます。

ベッケル本来のうまさは随所に見られるものの、全体的な視点を持つとまだまだほかの作品よりは劣る、という感じに見えてしょうがないです。他のフランス映画でも見るべき作品は数多くあるので、これがプッシュされる意味がわかりません。

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