いよっ、(西部の)ハムレット!
- 百兵映 さん
- 2013年12月24日 15時52分
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他の西部ものと比べて、ちょっと渋めかなといった感じだが、大枠としてはやはり西部劇そのもの。
土着の家族 対 旅の家族の、奪い合いと復讐劇。それとは別にニヒルな男を取り合う二人の女の三角関係。この二つのストーリーが絡み合ってひとつの物語に構成されている。どこかシェークスピアに似ていると思ったら、意外や意外、シェークスピアそのものが登場する。
西部の荒れ野の物騒な田舎町。荒くれどもの酒場にステージがある。役者がいきなり、
「To be or not to be, that is the question.」
とやり出す。これくらいは私だって分かる。ハムレットじゃないか。どうした。
役者は、続いてソネットを朗誦するのだが、残念ながら翻訳字幕では良さが分からない。ところが、スクリーン上の観客にもさっぱり分からない。役者が観客に失望して悪態をつく。
「ここの連中にはシェークスピアは似合わない。分かりっこないんだ。」
面白いね。可笑しいね。イングランドのシェークスピアが作った北欧の舞台劇をアメリカ開拓村で演じて「似合わない」というアメリカ映画を日本で見て面白がっている。この点だけが他の西部劇と違っている。
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