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五月のミル (1989)

MILOU EN MAI/MAY FOOLS/MILOU A MAGGIO/MILOU IN MAY

監督
ルイ・マル
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3.30 / 評価:20件

ジャズ・バイオリンの軽快な旋律に乗せて

  • 一人旅 さん
  • 2018年10月30日 22時19分
  • 閲覧数 71
  • 役立ち度 4
    • 総合評価
    • ★★★★★

ルイ・マル監督作。

南仏の田舎町を舞台に、母親の葬儀のため久々に集まった家族の関わりを描いたコメディ。

巨匠ルイ・マルが1968年5月に発生したフランス五月革命に材を取った家族コメディの快作で、名優ミシェル・ピコリ、ミュウ=ミュウ、ドミニク・ブランといった実力派の役者達が織りなす家族の狂騒劇に訳も分からず魅了されます。

学生が主導しフランス・パリで大規模なストライキを巻き起こした1968年5月。母親急死の報せを受けて南仏の田舎町にある実家の屋敷に集まったとある家族が、遺産を巡ってそれぞれに欲望を露わにしていく中で、五月革命の激化を知った彼らは屋敷を脱出、暗い洞窟へとみんなで避難することに…というお話で、自然豊かな田園風景の中で“母親の死&五月革命”に揺れる一つの家族の姿を見つめています。

とても大らかでノスタルジックな作風が魅力ですが、母親の亡骸の横で沢山の遺産の配分方法について熱心に話し合う家族の姿が、金への執着を示すブルジョワに対する皮肉たっぷりに映し出されます。そしてフランスを混乱に陥れている学生に対し「死ねばいい」という過激な発言まで飛び出す始末で、彼ら家族の中では自分達が革命の被害者であるという意識が常にあります。しかし知らず知らずの内に、彼ら家族も革命のリズムに乗っていく。ストライキを主導した学生や労働者が自由や平等やセックスをスローガンに掲げていたように、彼らブルジョワ家族もいつの間にか自由を謳歌していきます。無邪気な子供のように汽車ポッポしたり、フリーセックスまがいのお遊びに興じたり、柔らかな日差しの中でみんなでピクニックしたり…。前半の醜い遺産相続争いはどこ吹く風、自由気ままな彼ら家族の交流がほのぼのとしたタッチで綴られていきます。

そして本作の大らかなムードを助長するエッセンスとして、ジャズ・バイオリンの世界的名手であるステファン・グラッペリが奏でる心地よく軽快なメロディが重要な役割を果たしています。母親の死も、遺産争いも、家族同士の大喧嘩も、男女の痴情も…ジャズ・バイオリンのリズムカルな旋律がそれら全てを朗らかに包み込んでコメディ化してくれています。

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