あなたには、どんな香りが届きましたか
- せぷたか。 さん
- 2010年8月25日 7時50分
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- 総合評価
同じ映画館で2本連続鑑賞の2本目。
1本目終了後の待合ロビー。
親子連れかな?おばあちゃんが息子に
1本目『上海家族』の作品の感想を冒頭から順番に語っていました。
これが、なかなかすごくて、
なにが、すごいかというと、
「よくそこまで覚えていますね」と
拍手を贈りたくなるくらい微細に渡って息子に説明しているんです。
しかも、女講談師かと尋ねたくなるほど、
声が大きく滑舌もいい(ただ耳が遠かっただけかもしれない)。
『上海家族』
翌日の朝、あと1回上映を残していたんですよね。
明日観賞予定の人がいたら、きっと映画本編より、
おばあちゃんの話のほうが、おもしろかったはずです(苦笑)
★彡 ★彡
深いねぇ
表面の速い流れが見えるか
裏に潜む、ゆったりとした流れまで見えるか
ここまでの人生経験において積み重ねてきたものの違いで
この作品の見える奥行きも違ってくるんだろうなぁ・・・(良い意味のため息)
おじいちゃんと10歳の孫。
ほぼ、この2人のお話なのですが、
観客に訴えかけてくるものは、実に深いものがありました。
おじいさんに見えて孫に見えないもの
孫に見えておじいさんに見えないもの
孫の年齢は10歳。
当然、あどけなさはありますが、
時折、大人がドキッとするような意志の強さを見せるのです。
「(人生の選択は)自分で決めなさい」
おじいさんと心と心で通じあう
まるで老夫婦のような仲のよさをみせるおばあさんは、孫にそう告げます。
最初は、ちょっと風が吹いたら、
すぐに、倒れてしまいそうな苗だったのに、
最後は、ちょっとやそっとの風では倒れない、
むしろ、おじいさんが見上げてしまうほど、凛々しい男に成長していました。
「わしからあげるものはなにもない」
孫との別れでおじいさんは話しかける。
でも、孫はきっとわかっていたはず。
モノはもらえなかったけれども、京劇役者として
超一流の才能を持つ血を、母を通じて与えてくれたことを・・・。
★彡 ★彡
孫とおじいさんが
徐々に心を通わせていく姿が
とても印象的でした。そして、
高台から見下ろす古い街並みの屋根や、
雨、月の欠け具合など、符牒も抜群でした。
『心の香り』
無味無臭だったスクリーンから
ラスト、蓮の香りがしたのは気のせいだったのでしょうか。
まるで心地よい夢を見たかのような98分をありがとうございました(笑顔)
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