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5時から7時までのクレオ

kin********

4.0

ネタバレヌーベルバーグの果実

メジャーがスタジオで作る映画の大半がマンネリに陥っていたとき、小型カメラを持って街に出て、自由に動き回る作品が新鮮な驚きをもって迎えられた。そんな時代の雰囲気がとてもよく伝わってくる映画です。  たまたま写った通行人をそのまま劇場にかけても、当時は問題なかったのでしょう。今じゃ怖くてできません。カエルを飲み込む大道芸人や、保育器に入った赤ん坊を車で運ぶ医療スタッフなど、仕込みなんでしょうが、そう感じさせないリアリティーがあります。おそらく大枠だけ決めて、現場でのハプニングを大事にする演出手法をとったと想像されます。  街にロケしたシーンの面白さ、人間臭さに比べ、室内で俳優を使ったシーンはどうしても“作った”感が残って退屈。そしてやっぱり映画は何かしらの結末が必要で、本作の公園で出会う男と恋の始まりは、とってつけた感じが残りますね。  ここがうまくいっていれば、傑作という評価を得たに違いありません。  このヌーベルバーグ的手法による映画が高い確率で成功していれば、今もこういう作り方が主流を占めていたのかもしれませんが、うまくいくかどうかは多分に運任せ。スターを使って限られた期間中に制作するとき、シナリオをきちんと作った、メジャー作の作り方に回帰するほかなかった。  そんな、商業映画の宿命を思わされます。

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