レビュー一覧に戻る
5時から7時までのクレオ

bakeneko

5.0

ネタバレパリの夏は日が長いなあ

ヌーベルバークの紅一点:アニエス・バルダの出世作で、女性ならではの繊細な視点と映像美に加えて、ゴダール、アンナ・カリーナ、ジャン=クロード・ブリアリを始めとした若き日のヌーベルバークの仲間達や、サミー・フレー、ミシェル・ルグランの姿も垣間見せてくれる秀作であります。 がん検診を受けてから結果が出るまでのヒロインの心の動きを、物語の中の時間経過と実際の上映時間を同調させて描いた作品で、ヒロインが彷徨う際に出会う人々とのエピソードによって、不安と希望が入り混じる緊迫した心理様態を緻密に浮き彫りにしています。女性らしい“協調感覚”を喚起する仕掛けは見事で、人とのコミュニケーションのちょっとした機微に心の動きを語らせる作劇は唸らされるものが有ります。そして、映像も秀逸で後に「幸福」で、捲るめく色彩美を見せたジャン・ラビエが夏の巴里の公園の美しさを始めとした情景をモノクロームで白日夢の様に映し出していますし、劇中で“顔見せ”もしているミシェル・ルグランの音楽もロマンチックであります。 本作でデビューしたコリンヌ・マルシャンの新鮮な魅力と共に一人称で内省的に語られる、リアルタイムの“心のうつろい”を絶妙な脚本と映像美で魅せてくれる作品で、映像派&映画ファンにお勧めの佳作であります。 ねたばれ? 1、タロットカード占いの基本知識が有った方がより楽しめます。 2、“火曜日に服を買うと不幸を招く”って、商店が迷惑しそうな迷信だなあ。

閲覧数936