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5時から7時までのクレオ

一人旅

3.0

クレオは生きていける

アニエス・ヴァルダ監督作。 癌の診断結果を待つクレオの5時から7時までの行動を描く。 自分が癌なのか癌ではないのか、7時になるまで判明しないことによって生まれる不安や恐怖、もどかしさがクレオの言動や行動の中に表出されている。友人と会ったり映画を観てもクレオの表情はどこか物憂げで、常に死の恐怖に付きまとわれているようだ。クレオが死に突き進んでいると確信する中で、彼女と対比的に描かれる女友達。明るく無邪気に振る舞う女友達とクレオの間には精神的な隔たりが確実に存在し、急いで走り去っていく女友達と車の後部座席に残されたクレオの姿が印象に残る。 不安や恐怖も他者と共有することで和らげることができる。これから戦地に向かう兵士とクレオが相互に理解できたのは死を間近に控えた似た者同士だから。他者に理解されない孤独さから解放され、現実に立ち向かう覚悟を得たクレオの晴れやかな表情が印象的だった。

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