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朝やけ (1932)

MORGENROT

監督
グスタフ・ウィッキイ
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4.50 / 評価:4件

敵の英国海軍は狡猾で勇敢!

  • bakeneko さん
  • 2016年11月15日 7時19分
  • 閲覧数 91
  • 役立ち度 2
    • 総合評価
    • ★★★★★

1933年の社長(フーゲンベルク)のナチス政権入りでプロパガンダ映画も撮ることになった、「メトロポリス」や「嘆きの天使」などの映画会社“ウーファ”のナチス政権下公開映画第一弾で、第一次世界大戦中に活躍したU-ボートの活躍を乗組員と銃後の故郷の人々の両面から描いた―“潜水艦映画の古典”であります。

実際のU-ボートを用いて、潜水艦映画のお約束であるー
秘匿行動=潜水&浮上
駆逐艦との対決
商戦の魚雷攻撃
艦内の構造と艦員の交流
爆雷攻撃による損傷と沈降
船内空気の欠乏による危機状況…などが描かれますが、
「U-ボート」、「眼下の敵」(第2次世界大戦)、「レッドオクトーバーを追え」(1980年代)といった潜水艦映画の名作よりも初期の性能である沿岸型潜水艦UB型ですので、
最大潜水深度は50m(「海猿」のダイバーと同じですね)
航行速度は水上8.82–9.15 knots (16.33–16.95 km/h―ヒトの水泳速度の約3倍、小学生の走行速度くらい)、水中5.71–6.22 knots(10.57-11.5km/h―ヒトの早歩きくらいかな~)
兵装も50 cm 艦首魚雷発射管×4、同サイズ艦尾魚雷発射管×1、10本と魚雷が少ない一方で、
甲板に8.8 cm 砲もしくは10.5 cm 砲×1が装備されていて、艦砲を利用する攻撃が可能なため、高価かつ数が限られた魚雷を惜しんで艦砲で攻撃する機会が多かったことも描かれています。
更に、レーダー&ソナーが発明されていませんから、外界の音を頼りにしたり潜望鏡での目視が状況判断の肝となるといった前時代的魚雷&爆雷戦や、潜水艦が大砲で偽装戦と撃ち合うなどの1次大戦ならではのシーンも出て来ます。
人間ドラマパートでは、ドイツの同じ町からU-ボートに乗船した、艦長、副官、無線長の三人の奮闘と、彼らの母親、恋人達の不安と葛藤が描かれます(特に艦長と副官は同じ女性に恋慕しています)。
そしてクライマックスは、英国の偽装船(Qシップ)=商戦に大砲を装備したもの)との対戦後、駆けつけた駆逐艦と不利な連続戦闘によって窮地に陥って手に汗握らせてくれます。

数々の軍歌も歌われると共に、戦争参加に際しての町の人々のお祭り騒ぎ感覚ではまだまだのんびりしていた戦争観やドイツの大衆気質も活写されている作品で、スムーズに発射する為に魚雷にはグリースを塗ったり、救命装置(酸素発生装置(アクアラングは発明されていません)+救命具)での脱出が命がけだったこともわかりますよ!

ねたばれ?
本映画に出てきた英国の偽装船(Qシップ)による騙まし討ち先制攻撃は、捕虜を収艦出来なかったために攻撃前に船舶の前に浮上して警告&非難の時間を与えるのが常であったU-ボートの隙を突いたもので、Qシップの存在によってドイツ海軍は浮上して警告通知後に砲撃をするという手順を止め、いきなりの魚雷による無制限攻撃に戦術転換します。そして、疑心暗鬼に陥った潜水艦が中立国の旗を揚げた船にすら無警告での攻撃を始めた事でアメリカ客船であるルシタニア号撃沈の悲劇が起き、アメリカ合衆国が対ドイツ勢力に味方して参戦、第一次世界大戦は終結に向かうことになります(―この展開を見越してQシップ偽装船を使ったとすればイギリスって相当賢いな~)

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