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ゴッホ (1990)

VINCENT & THEO

監督
ロバート・アルトマン
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3.94 / 評価:31件

印象派のなかでも強烈な色彩分割

1874年、モネが「日の出」を公開したあと、「色彩分割技法」にもとづく印象派絵画は急速に展開した。モネ、ピサロ、セザンヌ、ゴッホ、シニャックなど有名な画家は、それぞれ独自の技法を確立し、誰でも絵から画家の名前を当てられるほどだ。

そのなかでも、ゴッホの絵は、原色に近い異なる色の曲線を並べて、一番きつい。穏やかな筆致を並べるモネやピサロ、斜めの長方形等をやや機械的に並べるセザンヌ、細かい点を高密度に描きこむシニャックとは、まったく違う。ゴッホの伝記を読まなくても、その絵のタッチから、彼が風景や外界にきわめて敏感に反応したのだろうと、思わせられる。それも、あまり幸せな反応の仕方ではなさそうだ。

さて、印象派については、いろいろな驚きがある。

(1)フランスがプロシア(ドイツ)との戦争に敗れた屈辱のわずか数年後に、愛国心などとは無縁の、自然に向き合うモネの絵画が登場したという驚き。自分の道を行くという、フランス人の個人主義だとすれば、頭が下がる。

(2)それまでの対象を写し取る絵画に対して、対象を主観的に加工するまったく新しいコンセプトを生み出したという驚き。10年位前のある展覧会では、印象派以前に海景を好んだブーダンの技法からの発展を強調していた。最近の「ワシントン・ナショナルギャラリー展」の解説では、屋外で使える絵の具が開発されたこと、写真の登場により対象を写すだけでは画家の存在理由がなくなったこと、が印象派の登場の背景だと言う。これは、分かりやすい。

(3)印象派という基本アイデアの中で、それぞれの画家が、色彩分割の技法をあれこれ工夫したことへの驚き。独自性の追求は、日本ではこれほど強くならないだろう。

映画は見ていないのですが、京都市美術館でのナショナルギャラリー展で強く感じたことを、書いてみました。お許しください。

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