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殺しが静かにやって来る (1968)

IL GRANDE SILENZIO/THE GREAT SILENCE/LE GRAND SILENCE

監督
セルジオ・コルブッチ
  • みたいムービー 21
  • みたログ 104

3.59 / 評価:63件

沈黙のトランティニャン

  • 一人旅 さん
  • 2016年4月9日 17時43分
  • 閲覧数 1641
  • 役立ち度 11
    • 総合評価
    • ★★★★★

TSUTAYA発掘良品よりレンタル。
セルジオ・コルブッチ監督作。

声を失った凄腕のガンマン“サイレンス”と賞金稼ぎの無法者・ロコの対決を描いた西部劇。
フランスを代表する名優ジャン=ルイ・トランティニャンとドイツを代表する怪優クラウス・キンスキーという豪華で不思議な組み合わせが最大の魅力で、物語の舞台はアメリカ、監督はイタリア人の西部劇というややこしさ。
トランティニャンのセリフは一切なし(ある意味贅沢!)。過去の悲劇により声を失ったガンマンを演じる。主人公が声を出せないというのが新鮮で、あらゆる感情を表情だけで表現する。賞金稼ぎに拷問された際の悲痛の表情は圧巻。静寂の中にトランティニャンの心の叫びが響き渡る。また、夫を賞金稼ぎに殺された未亡人とサイレンスの間で芽生える恋愛感情も言葉ではなく表情だけで描き出す。
一方のクラウス・キンスキーはトランティニャンとは対照的な役柄で、多弁・残虐・拝金主義の醜い賞金稼ぎ・ロコを怪演している。賞金稼ぎと判事が癒着していて、賞金稼ぎの情け容赦ない殺人行為が処罰されずに黙認される。
キンスキー側の腐敗&行き過ぎた正義とトランティニャンの沈黙の正義が決着していくクライマックスは、エンニオ・モリコーネの叙情的な音楽と相まり悲壮感が漂う。最終的に正義が悪を倒すという典型的な西部劇のプロットを裏切る結末は意外性があり、倫理的正義が法的正義に抹殺される恐怖を示している。
ただ、クライマックスに至るまでの過程は比較的淡々としていて盛り上がりに欠ける。それでも、トランティニャンとキンスキーは両者とも圧倒的な存在感を放っているので、二人がいるだけで退屈しないし画面が持つ。
そして、西部劇らしからぬ映像も特徴だ。西部劇にはカラカラに乾いた荒野を回転草が転がっているイメージが存在するが、本作は一面雪景色で土なんてほとんど見えない。雪の白と血の赤が鮮烈に印象的だ。

詳細評価

物語
配役
演出
映像
音楽

イメージワード

  • ロマンチック
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