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秘密の子供

秘密の子供

L' ENFANT SECRET

92

kow********

5.0

映画の概念を真っ白にして鑑賞しよう!

映画監督のバチスト(アンリ・ド・モブラン)はエリー(アンヌ・ヴィアゼムスキー)と映画を撮っている。私生活でも親密になった2人。ある時、バチストは薬物中毒を克服するために病院に入院してロボトミー治療を受ける。エリーはそんな彼の心の支えとなるが、バチストが完治した後、今度はエリーが薬物依存症となって…。 タイトルの「秘密の子供」は、エリーの隠し子のスワン少年の事。 息子を母親に預けっぱなしのエリーは“バチストと一緒に住んだら息子を引き取りたい”と語っていたが、自分が薬物中毒となってしまい、その息子に会う気力も無くなってしまう…この展開で、彼女の心の荒廃が浮き彫りになるしくみだ。 ちなみに、エリーの実在モデルはヴェルヴェット・アンダーグラウンドのニコ、スワンの父親の大スターとはアラン・ドロンの事である。ドロンは未だにその子を認知していないと聞いた。 「ガレルは息をする様に映画を撮る」と評したのはジャン=リュック・ゴダールである。 確かにフィルムの止めどもない長回しに、自由なカット割りは、“映画”と“映像”という2つのカテゴリーの境界線ぎりぎりに存在している様に見える。 画質の荒いモノクロームの画面は、それ自体が呼吸するかの様だった。 ≪まず映画の概念を、真っ白にしてから観るとよい≫

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