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秘密の子供

秘密の子供

L' ENFANT SECRET

92

bakeneko

5.0

ネタバレファトン・カーンのピアノが心に響く…

監督のフィリップ・ガレル自身の恋愛を反映した物語で、新進の映画監督が子連れの女優に恋焦がれて堕ちてゆく様子を、現実と映画場面&幻想と願望…を入り交ぜて美しいモノクロ映像と音楽に乗せて描いてゆきます。 映画監督のバチスト(アンリ・ド・モブラン)は女優のエリー(アンヌ・ヴィアゼムスキー)と恋に落ちるが、彼女には有名俳優との間に秘密の子供がいて、公に出来ない関係のストレスからドラッグに浸り気味だった。エリーに同調するうちにバチストもドラッグに嵌まり…という破滅的な恋の物語で、主人公は監督のフィリップ・ガレル自身、エリーは当時ガレルの妻だったバンド「ベルベット アンダーグラウンド」のボーカル:ニコを、隠し子のスワンはアラン・ドロンとニコとの間に生まれたが、ドロンが認知しかった息子のアリを重ね合わせていますし、精神病患者役でフィリップ・ガレル本人も顔を見せています。 美しいモノクロ映像に加えて、特筆すべきはバック音楽で、ファトン・カーンのピアノ曲は必聴の名スコアであります。 現実&劇映画&幻想とが混然とした白昼夢の様な美しい作品で、精神病院では1970年代まで電気ショック療法が行われていたことも判りますよ! ねたばれ? チャップリンの映画を観ての帰りのエリーとスワン母子の歩みシーンは「チャップリンのキッド」のガラス修理詐欺のシークエンスのチャップリンとキッドのシーンを再現しています(それでスワンはあの髪形なんだ!)。

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