これしかないという幕引きで唸らされる
- fg9***** さん
- 2017年4月24日 14時34分
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- 総合評価
…ウォン・カーウァイ 監督の1997年の作品。
…あらすじは、解説のとおり。
いきなりのガッツリシーンに一歩身を引いてしまったが、トニー・レオンとレスリー・チャンの心を切り刻んでの愛憎渦巻く切なさには圧倒されてしまった。
時折映し出される『イグアスの滝』の地球の情景とは思えない壮絶なシーンは、二人の心象の行く末を物語っているようで深く心に刻まれた。
大概は二人の痛いまでの心の行き違いが描かれるが、二人が台所でタンゴを踊るシーンは素敵。
煙草と皮ジャンもストーリーに彩りを添えていたが、アストル・ピアソラのタンゴの情熱的かつ哀切な調べも効果的だった。
そして、タートルズの『Happy Together』も心地良かった。
『恋する惑星』の『夢のカリフォルニア』といい、『天使の涙』の『Only You』といい、有名どころの楽曲を外連味なく使い切る姿勢に、監督の懐の深さが窺える。
結末の反転した情景とともに、二人の関係の行く末も、これしかないという幕引きで唸らされた作品だった。
詳細評価
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