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フェイス/オフ

フェイス/オフ

FACE/OFF

138

風よ吹け

5.0

悪役も善人もできる二人の

「顔を取り替える話」という印象しか残っていなかったのですが、見直すとなかなか面白かったです。ジョン・ウーは、「ミッション:インポッシブル2」の印象が強くて格闘シーンばかり長い人と思っていましたが、このころの方が充実してますね。 ジョン・トラヴォルタもニコラス・ケイジも達者ではあるのですが、正統的な正義の味方とはいいづらいクセのある俳優で、その陰影を楽しむ方法としては、この映画はうまく処理したな、と思いました。 前段で、アーチャーが回転木馬でキャスターに息子を殺されるシーン、何であの距離でミスるんだよ、というのはちょっと納得いかないんですが。アクションシーンで銃弾をあれだけ撃ってほとんど当たらないのって、リアリティーがないな、とか、登場人物に身近な人間の死は気にするけど、巻き添えを食ったFBIの善玉も、自分の身を守るためにはこだわりなく死なせてるとか、モラル的にもどうかな、と思う部分も多々ありました。 それでも、いろいろとありえない設定を超えてゆくと、そこに興味深いドラマが見えてくる、というのは評価できるなと思います。 特に面白かったのは、それぞれの立場になって入れ代わって見たところで、それぞれの家庭や職場における環境がすべて悪化したか、というとそうでもなくて、本人の心理も、いままでとは違った立場でシンパシーを抱くようになって混乱していくところで、アーチャーが、キャスター本人も知らなかった息子の存在を知って、かつて亡くした自分の息子に重ね合わせるシーンは、この映画の白眉だと思います。それがあるからラストがより感動的になるという。

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