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フェイス/オフ (1997)

FACE/OFF

監督
ジョン・ウー
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4.17 / 評価:1684件

解説

 憎むべき相手と互いに顔を取り替えた二人の男の果てしなき死闘を描いた、J・ウー監督によるバイオレンス・アクション。かつて冷酷無比のテロリスト、トロイによって最愛の息子を失っているFBI捜査官アーチャーは飛行場でトロイを捕らえたが、トロイがLAのどこかに細菌爆弾を仕掛けている事が判明。当のトロイは植物人間となっており、唯一の情報源は獄中にいるトロイの弟ポラックスだけだった。FBI特殊班はアーチャーにトロイの顔を移植しポラックスから爆弾の設置場所を聞き出すことに……。

allcinema ONLINE (外部リンク)

映画レポート

写真:Album/アフロ
写真:Album/アフロ

「フェイス/オフ」ジョン・トラボルタ&ニコラス・ケイジの“両極演技”に震える、ハードな入れ替わり物語

 巨匠ジョン・ウーのハリウッド出世作となった「入れ替わり物語」は、極めてハードである。青春譚の始まりとなるような心と心のチェンジではなく、血と暴力に満ちた顔と顔のチェンジ。しかも「顔面を剥ぐ(フェイスオフ)→移植する」という驚愕の手法で入れ替わる。荒唐無稽にも思える設定だが、“バイオレンスの詩人”は自らのカラーを全面に取り入れ、一級のエンタメ作品へと昇華させてみせた。

 物語の主軸となるのは、冷酷無比のテロリストとして名を馳せるキャスター・トロイと、彼に息子を殺されたFBI捜査官アーチャーの因縁だ。6年の歳月を経て、アーチャーはトロイを確保するのだが、時限式の細菌爆弾の脅威が残されていた。苦悩するアーチャーは、昏睡状態のトロイの顔を自身に移植し、爆弾の在り処を知るトロイの弟に接触する。しかし、覚醒したトロイもアーチャーの顔を移植。最も憎悪する互いの顔を取り替えた2人が死闘を繰り広げていく。

 本作は冒頭からクライマックスといっても過言ではない。アーチャー息子射殺事件を活写した後、その間に起こったであろう執念の捜査劇をカット。時系列はすぐさま6年後へと飛躍し、ド迫力の追走劇が描かれていく。ロングコート×二丁拳銃アクション、スローモーションの多用といった“ジョン・ウー印”を空港でさく裂させ、ひとまずの終幕へ。リスタートする「入れ替わり物語」を経て、教会で白鳩と銃弾が舞い、水上のボート・チェイスに結実。2度もクライマックスが堪能できるような“オイシイ構成”だ。

 アクション面だけでなく、ドラマパートにも注目したい。入れ替わったトロイとアーチャーが、それぞれのプライベートへのカンフル剤となっている。仕事優先のため、妻と娘との関係に悩むアーチャー。その状況を意図せず改善するのは、彼の顔をまとったトロイだ。本性を露にしていない状態では“チョイ悪パパ”として機能してしまう。一方、トロイの顔を被ったアーチャーの恩情は、裏世界の住人たちを刺激。実際のトロイでは生み出せないリアクションを引き出してみせる。この予期せぬ効果が面白い。

 何よりもトラボルタとケイジの“両極演技”に震えるはずだ。時に極悪、時に正義。その演じ分けが凄まじい。顔を入れ替える前と後では、確かに「その中身が違う人物である」ということがひしひしと伝わってくるのだ。完全に振り切っているトロイに扮した際の狂気、自らに張り付いた宿敵の顔に葛藤するアーチャーとして表現する哀切。2人の演技力に、改めて敬意を表したくなった。(岡田寛司)

映画.com(外部リンク)

2020年11月5日 更新

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