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L.A.コンフィデンシャル (1997)

L.A. CONFIDENTIAL

監督
カーティス・ハンソン
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4.14 / 評価:1489件

そして今日も映画を見るのです

  • カナボン さん
  • 2009年6月24日 0時01分
  • 閲覧数 3810
  • 役立ち度 79
    • 総合評価
    • ★★★★★

これまでたくさんの映画と出会ってきました。どんな映画もかけがえのない物と思っています。(しょうもない映画も数多くありましたが、お陰さまでそんな作品を見てしまった自分自身に微笑ましさを感じるほどになりましたw)
そんな数多い作品の中で、ああ、自分はこの作品に出会う為に今まで色々な映画を見続けてきたんだ、と思える作品が数年に一本はあります。私のレビュー100本目、200本目は共にこのような作品でした。別の言い方をすれば、本当に大好きな映画です。
お陰さまで今日は300本目、やはり大好きな作品をレビューさせていただきます。

今日のお題目は「L.A.コンフィデンシャル」です。

暗黒の天使の街、ロサンゼルスを劇的なタッチで記す、ジェイムズ・エルロイ。その彼の「L.A.4部作」の一本の映画化。ハードボイルド、人間ドラマ、サスペンス、アクション、全てが完璧な一作です。

この作品が発表された当時、まだ無名だったラッセル・クロウとガイ・ピアース。有望な若手俳優をブレイクさせる請負人、アーノン・ミルチャンの目は確かでした。ジュリア・ロバーツやマシュー・マコノヒーを世に送り出した彼。クロウとピアースも瞬く間にスター街道まっしぐらとなります。

クロウ演じるバドは、幼児体験が原因で、女性に暴力を振るう男を決して許せない刑事。そして清濁合わせ呑むことを知っている義理堅い男。キレるともはや誰も手に負えない暴れん坊でもあります。
方やピアース演じるエド、あくまで正攻法で不正の巣窟と化したLA警察において、律儀にも正義を振りかざす世間知らずで融通が利かない石頭。自分の出世のためなら、どんなに職場で嫌われようがお構いなし。平気で仲間を売って点数稼ぎをするような男。
ハッキリいって、二人とも友達にはしたくないタイプです(爆)。

捜査方法、性格は水と油でも、二人には共通点がたった一つだけある。それは紛れもない正義感です。この二人に絡んでくるベテラン刑事ジャックを演じるのが、当代切っての曲者俳優、ケヴィン・スペイシー。この曲者というのは自分ならではのこの上ない褒め言葉です。ひょうひょうと、全てを見せずに観客を煙に巻くこの演技力、世界広しと言えども、これだけの名優、なかなかいませんよね!

ここにジェイムズ・クロムウェル、ダニー・デビート、そして紅一点、キム・ベイシンガーが絡む。キムの美しさは格別!彼女の出演作の中ではダントツのお気に入りです!

とにかく人物描写が抜群に巧い。登場人物たちの第一印象が、話が進むにつれて完璧に裏切られる。これも俳優たちの素晴らしい演技力にかかるところが非常に大きい。

それにもまして、バラバラのパズルの破片が次第に結びついていくこの充実感。この作品、無駄なシーンはただのひとつもありません。夜更けのダイナーでの惨劇に始まり、いかがわしいセックスを売り物にする人間たち、汚職にまみれた警察機構、金に執着するゴシップタブロイドの記者、全てが気持ちいいくらいに収束していく。
そしてラストのハラハラする銃撃戦!「明日に向って撃て!」真っ青の演出ですよね!

「天使の街」とはよく言ったものです。華やかな表の顔を持つロサンゼルス。しかしその裏の顔は金とエゴが渦巻く悪夢のような街。正義なんて青臭い概念はこの街には通用しない。観客はエドの視点に立って、この現実をとことんまで見せつけられる。

やはり印象深いのはスペイシー演じるジャックです。ジャックはデビート演じるいかがわしいゴシップ記者シドと組んで、売名行為に昂じる単なる世渡り上手の警官のように思えます。しかし彼もバドとエドのような熱い警察官だった。だから彼自身思ってもいなかった最期に直面したとき発した「ロロ・トマシ」の一言、最高に胸を打つ。実際ジャックという役、演じるにはかなり難しいでしょう。この役をこれほど完璧にこなせるのはスペイシーしか考えられません。

本作は、キムが助演女優賞、そして脚色賞とアカデミー2冠に輝きました。この年はかの「タイタニック」が賞を総なめしてしまった年。しかし個人的には断固として「タイタニック」より本作の方が好きです。怪物映画と年を同じくしてしまったこの不運。もしも違う年だったら絶対作品賞獲っていた(と思います・・・)。

更正の見込のない犯人を背後から撃てるか?最初エドは「ノー」と言った。
しかしこの街で正義を守るためにはそれが必要だということを最後に自ら実践した。

エドとバドはL.A.最後の良心なのかも知れない。

カッコいい男とは何か、愛されるべき女とはどういう女か、その答えがここにある。

映画って本当に素晴らしい。また○百本目に書くべき映画と出会うため、私は今日も映画を見るのです。

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