独逸サイレント映画の実力開花!
- bakeneko さん
- 2008年12月27日 0時25分
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- 総合評価
エミール・ヤニングスのベスト演技の一つであり、F・W・ムルナウの凄まじい演出が光る端正な傑作であります。
物語はシンプルですが、有名な“キャメラを持って語れ”の言葉に示されるように、
徹底して“絵”で見せることにこだわった作劇は、痛いほどの緊迫感と集中を感じさせて圧巻であります。
エミール・ヤニングスの見事な演技とマリー・デルシャフトの可愛らしさ等、演技陣も見所満載ですが、多くの実験的手法も含めた映像の的確さと奇抜さは、観客を物語に強烈に引きつけて離しません。
そして、描かれるテーマと自然主義的な展開は、特に現在の(娯楽第一主義的商業)映画が失ったものである事も注目すべきところであります。
映画が文学以上の“自然主義的芸術性”を独自の技法を駆使して獲得しようと頑張っていた頃の傑作で、その力強さは必見であります。
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