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最後の人 (1924)

DER LETZTE MANN

監督
F・W・ムルナウ
  • みたいムービー 8
  • みたログ 47

3.94 / 評価:18件

職場の制服にこだわる老人

  • 霊門大和屋 さん
  • 2010年4月30日 16時46分
  • 閲覧数 541
  • 役立ち度 8
    • 総合評価
    • ★★★★★

ドイツサイレント映画史上、フィリッツラングと並び称せられるFWムルナウ監督の1924年度作品。地位や肩書き、職場の立派な制服にこだわる人間の悲しき性を、サイレント映画期の名優エミールヤニングスが演じている。主人公の白眼をむいたオーバーアクト気味の演技は現在の演技感覚からすれば異様に映るが、映画が作られた当時の時代状況からすればむべなるかな。主人公の主観で描く表現主義的映像感覚は強烈。主人公である中老のホテルのドアマン(エミールヤニングス)がある事で、ホテルの便所掃除の仕事に移動を命じられる。金モールの付いたド派手な制服(60年代グループサウンズのコスチュームのような制服)が自慢だった男が、一気に悲嘆と絶望の底に突き落とされる。裏を返せば人はいかに上辺の見かけや肩書きに弱い生き物であるかの証明でもある。主人公や親類たちが隣近所の目を気にする姿があわれ。「物事、単純に考えればいいのだ」と自信を持って言い切れる人は幸福でしょう。単純に割り切れないからこそ皆さん苦労されているのだろうに。単純=善 複雑=悪という思考法では映画や小説、音楽、プロ野球といった大衆娯楽ですらその奥深さを味わうことは困難ではないでしょうか。アメリカでの公開という興行的配慮から、ハッピーエンドの結末を付け加えたという違和感の残るラストシークエンスは、映画の商業的側面という現実を見せつけられ、複雑な心境。ラスト前まではドイツ映画、ラストシークエンスだけアメリカ映画という不思議感覚を味わえる映画。(アメリカ公開では「最後の笑い」という題名で上映されたということです。)

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物語
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イメージワード

  • パニック
  • 切ない
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