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真夜中のサバナ (1997)

MIDNIGHT IN THE GARDEN OF GOOD AND EVIL

監督
クリント・イーストウッド
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3.19 / 評価:151件

『真夜中』に見える『サバナ』の危うさ。

  • 百兵映 さん
  • 2018年5月18日 22時14分
  • 役立ち度 2
    • 総合評価
    • ★★★★★

 アメリカのサバナという町の物語。ここには、多様な人種や宗教が混在して、当然、価値観や個性、生活スタイルがバラバラだ。それでいて、小綺麗で治安もいい。そういう所で、殺人事件が起こる。裁判員制度による法廷になる。まあ、ありそうな判決で片付けられる。ところが、それを簡単には片付けないのがイーストウッド監督だ。

 これは法廷劇ではない。目を凝らさないと見えにくいこの街の矛盾を見せている社会劇だ。多人種・多様個性の絶妙のバランスで保たれる平和状態も、実は何と不安定なことか。一旦事件が起こると、見え難かった矛盾が次々に明らかになってくる。人種対立と差別が公然と進行している。怪しい霊感宗教や迷信もはびこり、ゲイ集団が裏社会を仕切り、怪しい商売が蔓延している。それなのに、ここの裁判員諸氏は全員一致で判決を下す。限りなくブラックに近いグレイな事件なのに。

 これはアメリカだ。小さな田舎町だが、これが現代アメリカの悩み深い病理のサンプルなのだ。辛うじて平穏に見える社会だが、一旦綻びが見えると総崩れになりかねない。どこの国にもそういう危うさが多少なりともあろうけど、アメリカには建国当初から足元が危ないという特殊事情がある。映画人イーストウッド氏には危機感があるのではないか。差し当たっては、この矛盾に満ちた不安定なバランスを描き出すことが使命と考えているのではないか。

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物語
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