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モル・フランダース (1996)

MOLL FLANDERS

監督
ペン・デンシャム
  • みたいムービー 20
  • みたログ 28

3.85 / 評価:13件

薄幸な女の、棚からボタモチ物語

  • erisuta2006 さん
  • 2009年3月2日 23時38分
  • 閲覧数 847
  • 役立ち度 3
    • 総合評価
    • ★★★★★

約10年前に、海外で見た記憶を頼りに書いています。

物語はモルという一人の女性の、薄幸な生い立ちから始まる。
母親は牢獄で彼女を生んだ(と思う)。
信頼できる人が一人もいなかった少女時代。
教会のザンゲ室で彼女をテゴメにしようとする神父の手を、編み棒で突き刺すモル。

そして、娼館での小間使い→売れっ子娼婦→転落。
モーガン・フリーマン(娼館で働く男)だけが彼女を人間的に扱っていたように思う。(彼だけがモルが最初客に体を売ろうとした時、女主人に反対したのだ)

娼婦になってからのモルは、その美貌で男達の視線を集めるも、心はどんどんすさんでいく。
夜毎自分を買う男達。
地位があっても、金があっても、信仰深く十字架を首にぶら下げていても、中身はどの男も一緒だった。
(ザンゲ室の場面といい、教会への痛烈な批判を感じる。こんなに救われてないのに、ほんとに神はいるのか?みたいな。)
モルは神様さえ、すでに信じていなかったのかもしれない。

そんな時、ある画家が絵(人体図?)のモデルとして一番安い彼女を買う。
すでにモルはその娼館の中で、一番安く買える娼婦にまで落ちていたのだった。

画家は性欲の対象としてではなく、一人のモデルとしてモルに接した。

画家の家に通ううち、モルは次第に人間として失いかけた何かを取り戻し始める。

超貧乏と思えた彼は実は以外にもいいとこのボンボンだった。貴族としての生活を嫌い、家を継ぐ事を拒否し、貧しくとも好きな絵を描くことに満足している、純粋な男。


「今まで何人もの男と寝てきたが、この夜が私にとっての初めての夜だった」
初めて画家とモルが一緒に愛し合った夜を回想した、モルのナレーションに涙しました。

ああ、どんな女でも、真実求めているのはこれなんだよな・・・なーんて。

数え切れないほどの男に体を売ったとしても、初めて愛した男との夜は、まぎれもなく「初夜」に違いない。

モルの人生に初めての光が差し込んだのだった。

しかし幸せもつかの間、不幸はまだ続く。
画家は子供が生まれる前に流行病であっけなく死んでしまう。再び孤独になったかのように思えたモル。
しかし一人ではないとわかっているかのように、黙々と出産の準備をし、彼女の母がそうであったように、彼女もまた、たった一人で子供を生む。
愛してくれた画家の、忘れ形見。

女は愛を知ると強くなる。子供を産んで、より強くなる。


その後もまた災難が降りかかるが、最後に降ってきたのは―――

棚からボタモチ、と冒頭で書いたが、最後「ヘッ?」と思うようなボタモチが降ってくる。
そんなんありかと思う方もおられるでしょうが、私はそんなんあってもいいんじゃない?と、モルの幸せを喜んだ。
モーガン・フリーマンも再登場、すがすがしいラストです。

娼婦ものなのにいやらしい場面もひかえめ、あまりフェロモンを感じないロビン・ライトが逆にこの芯の強いヒロインにぴったりで、美しかった。


モル・フランダースという一人の女性の、波乱万丈、そして平安を見出すまでのお話。

詳細評価

物語
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