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ボンベイ (1995)

BOMBAY

監督
マニ・ラトナム
  • みたいムービー 16
  • みたログ 50

3.88 / 評価:24件

宗教対立という悲劇

  • ner***** さん
  • 2016年7月13日 17時00分
  • 閲覧数 1706
  • 役立ち度 4
    • 総合評価
    • ★★★★★

実際の事件をテーマに作られた、悲しい映画だった。
社会派なテーマ(特にパキスタンとの対立)を扱うインド映画は最近でも多く作られているが、
これ程までに対立による悲劇をまざまざと見せつけられるインド映画は初めてだった。

物語は前半、ヒンドゥー教徒の男性セーカルとムスリム(イスラム教)の女性シャイラーによる恋物語で始まる。
宗教の違いから両家には反対されつつ、それでも愛を貫き家庭を築く。
やがて両家の親もお互いに近づいていく…

しかし、1992年暴徒と化したヒンドゥー教徒達がモスク(イスラム教の礼拝所)を破壊したことをきっかけに、お互いの教徒達による報復合戦が拡大していくこととなってしまう。
正に血で血を洗う抗争、女性だろうが子供だろうが関係無く虐殺されていく様は壮絶で、街は地獄絵図と化していた。

宗教なんて関係ない、同じインド人だ…
血を流すことなく独立した国なのに…
政争に利用されているだけだ…
抗争のさ中に流れる歌詞やセーカルの言葉が胸を打ち涙が溢れた。

共に暮らし幸せだったセーカルとシャイラーの家族、
それに今まで仲良く仕事をしていた同僚達…
お互いの宗教なんて気にせず分かり合い暮らせていたのに、政治家達の利益の為による争いで全てを奪われる悲劇だったのだ。

前半は楽し気な歌で踊るシーンもあったが、
後半に流れる歌はこの紛争への怒りや悲しみが込められたものだった。
しかし実際に巻き込まれた人々は同じような気持だったはずだ。
家族と楽しく過ごしていた日々が突然失われたのだ。誰も得をしない、上の人間達に扇動されたこの争いで。

ラスト、セーカル達の命懸けの訴えに人々は武器を捨てる。
本当は皆こんな争いを望んでなどいなかったはずだと、そう信じたい。

重く辛いテーマを扱う映画ではあったが、インドという国の歴史や、宗教や人種の対立が起こす悲劇を知るために観るべき一本だと思う。
今だって、どこでこのような悲劇が起こってもおかしくはないのだと思う。

詳細評価

物語
配役
演出
映像
音楽

イメージワード

  • 泣ける
  • 悲しい
  • ロマンチック
  • 勇敢
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