ここから本文です

シークレット・エージェント (1996)

THE SECRET AGENT

監督
クリストファー・ハンプトン
  • みたいムービー 0
  • みたログ 6

3.50 / 評価:2件

彼は未来を侮蔑した。彼は力だった。

  • i_t***** さん
  • 2010年11月13日 21時21分
  • 閲覧数 507
  • 役立ち度 1
    • 総合評価
    • ★★★★★

この映画の原作である『密偵』の中のプロフェッサーの描写だが、この描写の真意は、爆弾で未来を爆破させる、という意味ではないのだと思う。

プロフェッサーの自暴自棄の描写ではなくて、もっと奥の深い、人間の深層心理、深淵を表現しているのだと思う。

「じゃ、なんのこと?」

『密偵』の中で、精神疾患のあるスティーブが延々と円を描く姿が描かれており、この映画の中でも、クリスチャン・ヴェールがやはり、円を描くシーンが出てくる。

「円は永久回帰の意味か?」

そうだと思う。だから、未来は侮蔑すべき概念になる。なぜならば、円には未来は含まれていない。現在があるだけ。

今を生きる、このことにこそ、人生の意義があるのだろう。

聖書の戒律に、汝復讐するなかれがあるが、もし世界が円であるのならば、過去の遺物である復讐の火種は存在していない。

また、大金持ちになるという未来の妄想も存在していない。

与えられた生に感謝する・・・これが生命のあるものの本来の姿。

過去・現在・未来という概念は、人間特有の妄想であり、これは脳の潜在意識として遺伝的に埋め込まれているものなのだろう。

この過去未来の妄想のあるおかげで、過去のオナニーによる快感が、未来のより強いセックスの快感の妄想をもたらし、人間は頻繁にセックスに邁進することができているのだと思う。良くできたプログラムだ。

「こりゃまたスケベな意見だ」

生殖行為は生物にとって、最大の目的であり、生殖行為が無視されたり蔑視されるような文明は、ろくなものではない。

もっとも、社会秩序の維持という観点からは、ある程度の節度が必要なのは当然だが、カトリックのように、性欲を原罪と位置付けるような宗教観は完全に間違っている。

「カトリックに対して天敵のような態度をとっているが、何かあったのか?」

別に。でも、リベリア半島での宗教裁判によるユダヤ人の生きたままの火あぶりの刑や、ナチによるポーランド人やユダヤ人のホロコーストは、異常だよ。

この異常性には何かある。変だ。

古代エジプト時代からの、一神教徒に対する迫害が近代まで継続しているのではないのだろうか? あくまでも俺の憶測なんだが。

「一神教と超自然主義は関係があるのか?」

さあ~、あるのかな~

ところで、ユダヤ教などはキリスト教が新教と呼ばれるのに対して、旧教と呼ばれている。

このようなことに、超自然主義は関わりがあるのかもしれない?

なぜならば、キリスト教の神は、言わば人間が勝手に想像でこしらえたものだ。言い換えればキリスト教はペテンだ。キリスト教は宗教ではなくて、大衆操作の方便なのではないだろうか?

一方、旧教の神は宇宙の暗黒物質とか、人間の知恵をはるかに超えたところにある、人間の思いも及ばない超自然などを対象にしているのかもしれない。


@ @ @ @ @


ところで、『密偵』に似た小説の『西欧人の眼に』は大傑作だと思う。読んで感動したね~

「『ベイブ』より感動したか?」

感動した。まさに衝撃。ストーリー展開が上手すぎる。

コンラッドは人間分析・人間の深層描写にかけては、超一流。さすがはユダヤ人。

「ポーランド人だろ?」

カトリックのレコンキスタに始まるユダヤ人追放運動により、リベリア半島を追われたユダヤ人はヨーロッパ各地や北アフリカなどに逃れた。

ポーランドもそんな飛散地の中の代表格の場所だった。

詳細評価

物語
配役
演出
映像
音楽

イメージワード

  • 未登録
このレビューは役に立ちましたか?
利用規約に違反している投稿を見つけたら、次のボタンから報告できます。 違反報告
本文はここま>
でです このページの先頭へ