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グラン・ブルー/オリジナル・バージョン

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5.0

海と映画は相性いいね。

海と映画というのは相性がいいのかもしれませんね。 海の青さは、映画館の暗闇の中で、まるで生き物のようにうごめき、魅力的です。 だから海をテーマにした作品がたくさんあるのでしょうし、北野武のキタノブルーだのジェームズ・キャメロンのキャメロン・ブルーだとかが、持てはやされたりするんでしょう。 映画館の暗闇の中にいると、海の中にいるかのような錯覚にも陥るんじゃないでしょうか。 そこをうまく使っているのがこの『グラン・ブルー』。 素潜りの競争を描いただけの作品なのに、人の心をつかんで離さない魅力があります。 超人的な潜水能力を持ちながらもナイーブで純真な心を持ち続けるジャック。 傍若無人なようでいながらジャックに一目置き、良きライバルとなるエンゾ。 潜水という孤独な競技に賭ける者にしかわからない、二人の友情が痛く心にしみてきます。 二人とも、孤独だからこそ、孤独な者の気持ちがわかるのでしょう。 それは、若い女性が寄せるジャックへの愛情をすら超えて深いきずなとなり、海の底へと消えて行きます。 精神面でも映像の面でも清澄感にあふれる映画でした。 ジャックに思いを寄せる女性がいささかにぎやかなのが気になりはしましたが、かえってジャックのストイックさが際立たせられたでしょうか。 ところで、潜水競技会の選手として登場する日本人、実にコミカルに日本人らしさを出していました。 日本人の精神主義は、外から見るとこんな風に見えるんでしょうね。 当の日本人からでもこう見える時がありますもん。

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