5.0点
冒頭、年老いた男が家族を引き連れ、ある墓地を訪れる。 そして、1944年、オマハビーチに上陸する連合軍の姿を映し出す。 いきなりの大迫力の戦闘描写がすご過ぎて、ド肝を抜かれた! 上陸した途端に、敵から攻撃されまくって死体の山が次々と。 銃弾が飛び交う戦場の過酷で壮絶な現状を、まざまざと描いていく。 もう圧巻の一言で、凄まじ過ぎてあまりのリアルさにビックリ! ノルマンディー上陸作戦の凄惨な戦場を、見事に再現…表現していた。 1998年の作品で、これほどリアルさを追求した映像とは驚いた。 終始ハラハラドキドキで、戦場の緊迫感漲る迫力が圧倒的にスゴイ。 そんな激しい攻防を、何とか生き延びたミラー大尉にある任務が下る。 最前線で行方不明となっている落下傘兵、ライアン二等兵を見つけ救出する事。 彼には3人の兄がいたが皆戦死したので、軍上層部は末っ子だけでも帰国させようという。 ミラーは7人の兵士を選び、生死も分からぬライアンを探すため戦場に向かう。 出発してからも、いつ敵がどこから襲ってくるかも分からない、極限状態の連続。 全く緊張感が途切れないまま、色んな戦場を渡り歩くことになる。 ハプニングの連続で、犠牲者まで出てしまうのが悲痛で切ない。 何の為に・・・と、彼ら自身も葛藤しながら、ライアン探しが続いていく。 時には意見が別れ、ぶつかり合ってしまう事もあり多くを考えさせられる。 戦争の悲惨さ、残酷さを突き付けながら、人間ドラマもすごく深い。 ライアンを無事に助け出し、堂々と任務を終えて帰りたいというミラー大尉。 誇り高く頼りになる、ミラーを演じたトム・ハンクスが素晴らしい。 そしてようやく、ライアンを見つけ出した一行は、真実を告げるのだが・・・。 兄の死を嘆きながらも、ライアンはすんなり帰国に応じずある決意をする。 ミラー達は、ライアンを守る為、その場で行動を共にする事に。 クライマックスの戦いも、大迫力で爆破しまくり究極的に凄まじい! 色んなアイデアで作戦を立て、やるかやられるかの緊張のバトルの連続。 兵士たちそれぞれのキャラが生かされての、戦いぶりが展開していく。 スリリングでスピード感あって、壮大なスケール感があってお見事。 個々の生々しい戦いのエピソードが、リアルで怖くて切なくてたまらない。 手振れする映像が、余計にリアルさと鬼気迫る感じを醸し出す。 一人、また一人と犠牲が出てしまうのが、悲しくて苦しくて辛かった。 あの人の最期の姿は、ライアンならずとも胸に迫るものがあった。 ラスト、冒頭の映像と繋がり、あの男の正体が明らかになる。 その後の彼の生き様が伝わってきて、とても感動的だった。 映像、音響、当時の時代の細部に渡る再現度など、どれも圧巻のクオリティ。 構成も巧みで、長尺さも納得の、名作の超大作感が味わえた。