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最前線物語

最前線物語

THE BIG RED ONE

110

kor********

4.0

何がマークに起ったか?

映画産業から見ても戦争大好きなアメリカ合衆国でございますので、毎年何本も戦争に関する映画を世界に輸出しているわけです。そちらの面でもお得意様の日本の片隅で一人実際に起きたであろうノンフィクションの物語をポツリと観ている自分は、よくよく考えてみると何か不思議な世界にいるような感じがします。 映画を通し幅広い世代・世界の人に戦争の愚かさや恐怖を伝える事だけではなく、単にビジネスとしてのメッセージ性を強く感じる作品が最近は多いので少し逸脱し始めている気もしますが、戦争を通し人間の変化を見せる手法に慣れを感じてしまう自分もいるのです。戦場には一度も行ったことがないけれど、映像としては今回もまた観ている。 第二次世界大戦の最前線に置かれた4人の若者と鬼軍曹(リー・マービン)。軍曹の「戦場では生き残ることがモラルだ」という言葉の元彼等は逞しく変貌し、生き残るための毎日を陽気に過ごしていきます。逃げようと弱気になれば鬼軍曹に撃たれてしまう。そんなスパルタ教育の元少年達の成長と淡々と写される人々の死には現実感のないようで、まさに現アメリカの弱肉強食の世界を表しています。 リー・マービンの渋さと陽気な一面を見ていると『戦争のはらわた』のジェームズ・コバーンを思い出してしまうのは私だけ。成長していく仲間達とは対照的に心が弱く、成長が遅い役をマーク・ハミルが好演です。あのルーク・スカイウォーカー以来見たことがなかったですが本作ではかなり頑張っていますね。今は俳優業よりも声優業に力をお入れだとか。ラストのシーンでは私も胸を打たれたような感じがしました。 ではこの作品で戦争は酷い。戦争は人を凶器に変える。との見方も出来ますが、あえて言うなら「人を凶器に変えるのは銃ではなくお偉いさんのペン」ということですかね。

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