この「映画」というものの可能性!
- T-800 さん
- 2007年7月7日 22時39分
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- 総合評価
人をひきつける魔力みたいなものを持つ青い服。
それが手に取るもの達を奇妙な不幸に陥れながら
人手に渡るうちに切れ切れになり「布地」と化してしまう。
そして布地となってもなお、人を狂わせ続ける。
いや、それは正しくは「狂う」というよりも心の深奥にある欲求そのも
のを「引きずり出す」、とでもいうか。
しかめ面しながらも、同時にどこか暗い愉悦にあふれた映画なのだから
これは実に興味深い。
上手くいかないデザイナーが、偶然他人の服を見て作った柄を散りばめ
た青い服。
世に出るまでにすでに会社の中で人々を衝突させ始める青い服。
それを着た女は次々と不思議な変化に襲われる。
つかの間の「喜び」と「死」。
この不条理!
服をまとって死んでしまったホームレスの薄幸な女と一晩添い寝をした
男は、自分の娘ほども若い街娼にキスをしてくれと頼む。
恋人同士のようなキスだ、と注文する。
真摯と見るかグロと見るか。
なぜか印象に残るくだりだった。
ラストまで人をしてその理性を狂わす青い服。
いやー、人間の想像力をかきたてる、この映画というもの。
その可能性。
おそるべし。
詳細評価
イメージワード
- 不思議
- 切ない
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