作品レビュー(6件)
- sko********
3.0点
裁かるるジャンヌに続き、ドライヤー監督の最後の作品を観賞した。正直、私にはゲアトルーズの魅力がよく理解できなかった。夫婦でも、愛人同士でも、元恋人同士でも、お互い視線を合わせることのない会話の連続。一つ一つはメモしたくなるようなうんちくのあるセリフ。だけれども、ゲアトルーズに男たちが魅かれる理由が理解できなかった。でも、最後の最後に80歳くらいになったゲアトルーズとその男友達が登場。そのゲアトルーズは、チャーミングなおばあちゃんだった。
- すこたろう
5.0点
ネタバレ愛をください!ぉぅぉぅ
このレビューにはネタバレが含まれています。 - ********
5.0点
1964年。カール・ドライヤー監督。夫が大臣になろうかというブルジョワ夫婦だったが、妻は若い音楽家との不倫を打ち明けて別れようとしている。そこへ、妻のかつての恋人が帰国して、、、という話。 激しいアクションなどほぼ皆無で、物語は会話中心で進んでいくのだが、その会話の展開がすばらしい。ちょっとした愛情のすれ違いでままにならない人生。大臣になるものの妻を失っていまう夫も、海外で成功しても未練を捨てきれずに後悔しているかつての恋人も、不倫関係を続けながらも若さから軽率な行動をしてしまう音楽家も、すべての人物がいとおしい。 ほとんど視線を合わせない人物同士がふと視線を交わしたり、ほぼ正面を向いている人物がふと背中を見せたり、ほぼ足場を固定したままのカメラがぐるっと首を振ったり、「一般と例外」の規則をふんだんに盛り込んでいて目が離せない。
- 一人旅
5.0点
カール・T・ドライエル監督作。 『裁かるゝジャンヌ』(28)、『怒りの日』(43)、『奇跡』(54)等、映画史に残る傑作を生みだした北欧デンマークの鬼才:カール・テオドール・ドライエルの遺作となった恋愛心理劇で、スウェーデンの作家:ヤルマール・セーデルベルイの舞台劇を原作としています。 次期大臣の夫を持つ上流階級の夫人:ゲアトルーズをヒロインとした心理劇で、夫への愛が冷め切っているヒロインが夫以外の男性達の間で苦悩してゆく様子を描いています。 統制された画面構図のもと展開される室内での会話劇を中心とした作品で、理性の極致のような存在であるヒロインの愛の渇望と魂の彷徨を緊張感の張りつめた空気感覚の中に映し出しています。愛情や肉欲といった根源的な本能に対して、“理性”という思考による解釈を試みるヒロインの姿を描いた異色恋愛心理ドラマで、「好きだから」という素直な感情だけでは満足に動くことができないヒロインの硬直した理性の働きを丹念に見つめています。 登場人物同士が視線を合わせないことや、絵画や鏡を用いた直線的な画面構図&硬直的カメラワークが画面に独特の緊張と静寂を与えていて、密室での会話劇が主体の映画なのに人物と人物の距離感がやたら遠いものに感じさせます。 宗教色の濃い作品を撮ってきたドライエルが晩年に手掛けた硬派な恋愛心理劇で、主演のニーナ・ペンス・ローデが特別美貌ではないのに男達を惹きつけてやまない孤独なヒロインを瞬きせずに力演しています。 蛇足1) ゲアトルーズのモデルは、原作者セーデルベルイの愛人であったマリア・フォン・プラーテンという人物です。 蛇足2) 「君はどんな人ですか」という男性からの問いに、「私は月、私は空…」と一点見つめで答えるような女性は話にならないと思う。
- mis********
3.0点
これはやばい。 非常にイライラさせられる。 恐ろしく面倒なおばさんだった。
スタッフ・キャスト
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受賞歴
ヴェネチア国際映画祭第26回