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D.N.A.III PETER BENCHLEY'S CREATURE (1998)

PETER BENCHLEY'S CREATURE/CREATURE

監督
スチュアート・ギラード
  • みたいムービー 1
  • みたログ 7

4.00 / 評価:1件

海の上のモンスター屋

  • 玉吉 さん
  • 2011年6月20日 23時27分
  • 閲覧数 273
  • 役立ち度 15
    • 総合評価
    • ★★★★★

実はすっかり忘れてしまってたのだけど
先週の6月15日は『エイリアン2』、
『シザーハンズ』、『遊星からの物体X』等の
VFXで活躍した天下一のモンスターメイカー、
スタン・ウィンストンさんの命日でありました。

ということで、
今宵はそんなモンスター屋の手による
1本の愛すべき怪獣映画をピックアップ。


カリブに浮かぶ孤島「鮫の歯島」。
かの地ではこのところ、住民や観光客が
海中で無惨に殺される事件が多発していた。
死体にはどれも鋭い牙で噛まれた跡があり、
これは「人喰いザメ」の仕業かと目されていたが。

島でサメの研究に打ち込んでいた
海洋生物学者のアメリカ人、チェイスが
そこに異を唱えた。

 サメが人を襲うのは「食べる」ため。
 こんなに死体を食い残すのは、
 サメの仕業なんかじゃ絶対にない。

すっかり海の嫌われ者になってしまった
サメ達の名誉を挽回するため、
真相の究明に乗り出すチェイスとその一行。
果たして、その島には
重大な機密が隠されていた。
第二次大戦中。米海軍が秘密裏に
とある「生体実験」を行っていたというのである。


原題"PETER BENCHLEY'S CREATURE"。
冠の「ピーター・ベンチリー」は
あの『ジョーズ』の原作者。
未曾有のメガヒットとなった映画『ジョーズ』は
彼にベストセラー作家の地位をもたらしたが
その反面、自分の小説のせいで
世界中のサメが忌み嫌われ、
容赦なく排除される状況を招いたことに
いたく自責の念を感じていたらしい。

 サメは「悪魔」なんかじゃない。
 あくまでも食物連鎖の輪の中で、
 その生存本能に従い捕食を行うのみなのだ。

そんな彼なりの苦々しい「思い」を
「ゴジラ」。「キングコング」。
「フランケンシュタイン」。
典型的なモンスター映画のフォーマットに
落とし込んだのがこのオハナシ。

大自然。生命。原子力。
それらはこの世に頑として存在する。
本来は人間が抗うことなど適わない、
大いなる力。
もし、それらが悪魔のように
無慈悲な破壊をするのなら、
その悪魔を生み出したのはきっと私達。
「飼い慣らそう」などと自惚れた私達の
愚かな過ちが、モンスターを生んだのだと。


モンスターの正体はいわゆる「ミュータント」。
海軍が開発した恐怖の生物兵器、
その名もターシオプス・タルタリアス。
獰猛なホオジロザメと知能に優れるイルカを
掛け合わせ、更に「隠し味」をもうひとつ。
(その「隠し味」がイカンのだよ!)

「IQ高めの人喰いザメ」というのは
意外に定番というかベタという感じだけども、
そこはさすがにウィンストンさん。
哺乳類のような表皮と
カギ爪の生えた手足を持つという、
斬新なフォルムのサメ型モンスターを創造。

更にはずんずんと進化を重ねて行く設定。
エラが埋められて肺呼吸をするようになり、
首が伸び、後ろ脚で直立に立ち…と
見る見るうちに恐怖の魚介人間へと
トランスフォームしていくので
えらくワクワクしてしまう。

今どきこの手のモンスターは
CGでやるものと相場が決まってるが、
ウィンストン印はやっぱり「キグルミ」。
「アニマトロニクス」でギクシャクと動くのだ。
懐古趣味だのなんだの言われようが、
やっぱりモンスターの醍醐味は実写なのだ。
こういう「作りモン」をいかにリアルに見せるか、
そのプロセスや情熱にこそ
わしらモンスター好きは
ココロをアツくするもんなんである。


元々は2夜モノのテレフィーチャーとして
製作された本作。
『D.N.A.?』のタイトルでリリースされた
VHSビデオは尺120分の短縮版。
(もちろん、ドクターモローは関係ナシ)

そして『海棲獣』のタイトルでリリースされた
DVDが完全版の175分。
超大作並みの長尺にはじめは怯むけど、
案外すんなり観れてしまう。

予算もそう多くないテレビ用ということもあって、
ハデな見せ場なんかないし
エグい切株なんてのは以ての外。
じゃあどうやってと言えばその代わりに、
小さな島を舞台とした人々のドラマが
たっぷり時間をかけて語られる。

妻と夫。父と息子。母と息子。父と娘。
ボスと部下。少年と少女。役人とアウトロー。
それぞれにそれぞれが抱えていた「事情」が、
変異ザメ殺人事件を契機に
ラストへ向け収束して行く。

地雷覚悟の安物モンスター映画と
タカをくくって観ると、鑑賞後は
意外なほどの充実感に驚くことウケアイ。
どうも寝つけない夏の夜に是非どうぞ!

詳細評価

物語
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演出
映像
音楽

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