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踊れトスカーナ!

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5.0

「だからナニがやねん」

イタリアはトスカーナ地方の田舎街を舞台にした ラブコメです。 つうよりギャグコメですほとんど。 イケてる時の志村みたいな、若い頃の志村けんみたいな 絶妙の間で魅せてくれる、かなり高度なコメディなのです。 この映画、監督が主演も兼ねているんだけど、 レオナルド・ピエラッチョーニという人で、主役の若い会計士も 彼自身が演じています。 相当の才人とみました。 「いとこのビニー」もそうだけど、 ループギャグというか連鎖シチュエーションというか、 ああいうギャグのはめ込み方に物凄い手際の良さがあるんですね。 テレビでああいうギャグをやるのと違って映画だと当然その シチュエーション作っていくのに当然編集という作業がある。 撮影が全部撮り終わったあとに切り貼りするわけだから、当然その 出来上がりの状態を見込んだ上で、 実際に編集室で物語の前後に何百回と行ったり来たりを繰り返しながら 全体の流れがスムーズになるかどうかを見ながら、 慎重に息を詰めて作ってゆく。 映画の編集ってそんなものです。 コンマ何秒を常に確認しながらの細かい 顕微鏡作業です。 とくにギャグみたいな笑いどころ ・落としどころに気を使うべき シーンを 的確なタイミングで再現する為に編集しようと思うと、 「コンマ何秒」 は当然のこと常に「百分の何秒」 の闘いに なります。 主人公がうんざりしてレストランで顔を洗うシーンとか、 くじを買うだの買わないだのでいちいち人を煩わせる アホな街のオニイチャンの反復とか、 あのエロい事しか考えてない幼馴染のおネエさんのアホらしさとか。 ああいう笑わせどころの挿入の仕方、タイミングの図り方が、 半端じゃなく巧いんですねこの監督は。 編集のタイミングが 非常に絶妙で芸術的な出来なんです。 全部ドンピシャのストライクです。 ハマちゃんの昔のツッコミなんです。 若い頃の「ガキ使」 のフリートークの。 あのコンマ何秒の、神速のカミワザ 「ナニがやねん」 あの伝統芸なんですわ。 恐らくそういう「ミリ単位のお笑いの修羅場」を たくさんくぐって来た人生を 持った人だと私はみています。 この ピエラッチョーニ監督は。 ------------------------- 昨今のラブコメ物もどんどんカット割りインフレの波に 押されて、しかもそれに加えて笑いの間もタイミングも全く 理解してないプロモビデオ育ちの若い監督ばかりになって きたもんで、 例えば今のハリウッドでこういう粋な作品をつくるのは ほぼ不可能でしょう。 つか無理。  絶対無理。 ------------------------- たぶん今現在のイタリアにおいてでも無理でしょう。 ヨーロッパ映画ももうムチャクチャやからね。 ------------------------- 日本で公開されたのは'98年で、 わたくしはロードショー公開時に観にいきました。 当時イタリア語を学んでいて、NHKの「イタリア語会話」で 紹介されてて面白そうやなと思って行ったのが 実に大当たりでした。 レストランのシーンのあまりのアホらしさに 劇場でひとりでデカい声出して笑ってもーた。 イタリア語特有のギャグも幾つか入っていて、 アホクサさ満載なので(特にあの主人公の弟) ちょっとでも解る人や勉強中の人は より、 笑えると思います。 主人公の弟、アホすぎ。 ------------------------- 物語は夏のさなかのトスカーナで、自然の描写と、 音楽の出来が素晴らしいです。 特に音楽は ほんま素晴らしいです。 ちょうど 「百武彗星」 の最接近がニュースになってた頃の 話で、そういうのも上手く取り入れててね。 星と、緑とひまわり めっさキレーです。

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