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54 フィフティ★フォー

kak********

4.0

実在のディスコ”スタジオ54”を舞台に!

情熱が溢れる”青春ドラマ”? 否、老若男女年齢制限なしの怒涛のエネルギーを感じる。 舞台は、ニューヨーク西54番地に1977年開店した 実在のディスコ・クラブ。そのオーナーの斬新なアイデアに 有名人が集う人気クラブとなったわけだが、只のディスコ 映画とは一味違う。 物語は、刺激のない仕事と日常生活にエネルギーを持て余して いた若者シェーンが、あこがれの女優に引かれて”スタジオ54” に行ってみようと決意する事から、大きな転機を迎える。 主役は「クリムゾン・タイド」で映画デビュー、「白い嵐」で 準主役、「ラストサマー」で主役と順調に人気を得ていった ライアン・フィリップ。「サベイランス‐監視‐」でも天才 プログラマー役を好演している。 そして、時代を作り出した伝説のディスコのオーナー、スティーヴ・ ルベルには「オースティン・パワーズ」シリーズで人気を不動の ものとした、マイク・マイヤーズ。ここではコメディアンではなく 人気のディスコ・クラブのオーナーとしての表と裏の顔を見事に 演じ、実力を発揮している。 そして「デスペラード」でアントニオ・バンデラスと共演し注目され、 「フロム・ダスク・ティル・ドーン」の地獄のサンタニコ役で鮮烈な 印象を与えたサルマ・ハエックの演技力も大きい。「ダイヤモンド・ イン・パラダイス」でもピアース・ブロスナンと共演し持ち味を 出しているが、本作品では売り出し前の歌手の生活を生き生きと 表現している。 そして、憧れの女優役には「スクリーム」シリーズで知られるネーヴ・ キャンベル。「バレエ・カンパニー」ではバレエの経験を生かして 主役を務めている。ここでは、堕落した渦に巻き込まれそうになる中、 ”自分”を見失わないヒロイン役で、乱れている場面ばかり目立ち、 ただの”お騒がせムービー”になりがちな内容を引き締めている。 つまり、ディスコが舞台の派手な映画に見えるが、芸達者な俳優達が しっかりと人物を描いているので、情熱の集合体の凄さと虚しさが 見る者に伝わるシリアスなドラマに仕上がっている。 監督は、本作品が長編デビューとなったマーク・クリストファー。 脚本も担当しているが執筆に5年を費やすほど情熱を傾けた作品だけ あって、きめ細かい演出が光る。 他では、「ハリソン・フォード 逃亡者」でリチャード・キンブル 医師の妻を演じたセラ・フォードや、「ニューヨークの恋人」に出演 したブレッキン・マイヤーなどが脇を固めている。 都会の持つ魔力に魅入られていく若者は珍しくないが、そこから抜け 出して自立できる人間は多くない。夢を実現させるべく情熱を傾ける オーナーも、明日が来るかどうか分からない事を百も承知で、今日に 命をかける意気込みが伝わってくる。そして、老いても生き甲斐を 求めて若者の中に身を投じる婦人も、今日という日が最後という覚悟 であるに違いない。 それぞれの”情熱”がぶつかり合い、軽快なディスコ・ミュージック で彩られる夜の世界の生々しさが良く描かれていて、登場人物たちが 夢の世界に酔っているのに、俳優達が熱演して何か大切なものが 伝わってくるような不思議な雰囲気の映画でもある。

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